よくわかる栄養学

今日は栄養学の基本的な知識について話します。

知っている人は知っている基本的なことだけど、知らない人も結構いらっしゃるのかなーと思ったのもので。

それに、

「何でもバランスよく食べましょう!」

親、学校の先生、栄養士さんなど、みんな口を揃えていうわけですが、この「バランスよく」の正しい理解を一体どれだけの人がしているのか、とても怪しいなーと、いつも思っています。

そもそも、それを言う本人がよく分かっていないことが多い。

三大栄養素が何なのか分からない人でも、「何でもバランスよく」って言葉は使えますから、言葉とは、恐ろしいものです。

ある人に「三大栄養素って知ってる?」と聞いたら、

「炭水化物でしょ。あとは、ビタミン??野菜??」

また、あるの人に聞いてみたら、

「炭水化物でしょ。あとはねー、タンがつくよね。タン、タン、タン、何だっけ・・」

ひとまず、僕の身近にいる人は炭水化物が大好きなようです。僕も好きですが。

 

それは今はいいとして、今日は人に必要な5つの栄養素について、簡単ではありますが、説明したいと思います。なるべく分かりやすく。

5つの栄養素とは、糖質、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルです。

一般的に、糖質、タンパク質、脂質は三大栄養素と呼ばれ、ビタミン、ミネラルは微量栄養素と呼ばれています。

他にも食物繊維やフィトケミカルといった栄養素も体内では重要な役割をしているので、最近では積極的に摂取した方が良いと言われています。

ただ、食物繊維やフィトケミカルは上の5つの栄養素を、食事からバランスよく摂取していれば、自ずと摂れる栄養素たちなので、今日はそこには触れずに話を進めていこうと思います。

 

まず、これら5つの栄養素ですが、大まかに言うと3つの働きがあります。

1.身体のエネルギー源

2.身体の構成成分

3.体調のコントロール

 

では、1つずつ見ていきましょう。

まず糖質ですが、これは身体のエネルギー源としての役割があります。

糖質は炭水化物とほぼ同義ですが、炭水化物から食物繊維を取り除いたもののことです。

それで、このエネルギー源とは、その名の通りなんですけど、身体を自動車に例えるのであれば、ガソリンみたいなものです。

歩くのも、考えることも、呼吸するのも、心臓が動くのも、エネルギー源があってこそ、できることです。

 

次にタンパク質。タンパク質は1人3役で、身体のエネルギー源、身体の構成成分、体調のコントロール、すべてを担っています。

人のエネルギー源のメインは糖質ですが、タンパク質も部分的にエネルギー源として使われます。

例えば、糖質が体内でグルコースにされエネルギー源になり、優先的にエネルギーに変換されるわけですが、それらが枯渇した時には、タンパク質や脂質もエネルギー源になります。

また、身体の場所や時間帯によっても、エネルギー源は異なります。

例えば、肝臓のエネルギー源はタンパク質ですし、睡眠時では総エネルギーの約7割は脂質から作られます。

 

身体の構成成分というのは、簡単に言うと、タンパク質の場合だと筋肉を作る素になるという意味です。

体調のコントロールはどういうことかというと、タンパク質を摂ると体内でアミノ酸に分解され、そのアミノ酸が結合して酵素やホルモンを構成します。

そして、この酵素やホルモンが体調のコントロールをしてくれるのです。

 

では、酵素とは何かという話ですが、人のあらゆる生命活動(消化、代謝、呼吸、運動、感情表現など)の細胞レベルで起こっている化学反応を起こす「触媒」とよく言われます。

「触媒」がピンと来ない方は、現場の「作業員」をイメージしてもらえたと思います。

例えば、タンパク質を分解する酵素のプロテアーゼの場合だと、タンパク質(アミノ酸の塊)が小腸に運ばれてくるので、その塊を作業員たちがハサミでチョキチョキと切り離して消化しやすいように分解してくれる。そんなイメージです。

 

ホルモンはというと、生体内の特定の器官の働きを調節するための情報伝達を担う物質と言われています。

酵素が「作業員」なら、ホルモンは「連絡係」といったところでしょうか。

先ほどの例で説明すると、ホルモンは現場で作業をするわけではなく、作業員に「タンパク質の塊が来たでー」と連絡する。

すると、作業員が出動して仕事をしてくれるのです。

タンパク質は他にもいろいろ形を変え、体調のコントロールを行ってくれるわけですが、主は働きはこんなところです。

 

次は、脂質。脂質も1人3役で、身体のエネルギー源、身体の構成成分、体調のコントロールを担っています。

身体のエネルギー源については先に話したとおりですが、体内の脂質、つまり脂肪と呼ばれているものは、銀行の預金のようにエネルギーがストックされたものでもあります。

糖質もタンパク質も、使い切れない分は脂肪としてストックされ、現代の日本人はあまり経験しないと思いますが、飢餓に備えているのです。

身体の構成成分というのは、体脂肪もそうですし、生体膜(細胞膜とか)も脂質で構成されています。

体調のコントロールはというと、脂肪酸からホルモンが作られることもあります。

あと、脂質はビタミンA、E、Kなど水に溶けないビタミン(脂溶性ビタミン)の消化、吸収、運搬のサポートしてくれたりもします。

ビタミンの役割はというと、体調のコントロールになります。

ですから、ビタミンは身体のエネルギー源にならないし、身体の構成要素でもありません。

でも、ビタミン健康体をキープするために必要不可欠な栄養素です。

 

じゃあ、ビタミンは具体的にどんな働きをしているかというと、その多くは補酵素として活躍します

補酵素というくらいなので、酵素の働きを補ってくれるのわけですが、一定以上の補酵素が無いと酵素の活動が滞ることもあり、体調不良の原因にもなります。

例えば、日本では明治時代から大正時代にかけて脚気が蔓延しました。

その原因がビタミンB1の不足ではないか?と言われています。

実はビタミンB1は、エネルギー代謝を行う酵素の補酵素なのですが、それらが不足したために、脚気が蔓延したと考えられているのです。

また、ビタミンEやビタミンCが代表格ですが、ビタミンには抗酸化作用もあり、活性酸素などのフリーラジカルから身を守ってくれます。

 

最後にミネラル。ミネラルは2役あり、身体の構成成分、体調のコントロールを担います。

まず、身体の構成成分ですが、歯や骨を構成しているのがミネラルになります。

そして、体調のコントロール。ミネラルもビタミンと同様で補酵素的な役割をすることが多いです

例えば、亜鉛は現代人に不足しがちなミネラルの1つですが、300種類もの酵素に既に含まれているミネラルです。

脂質の酸化を阻止するスーパーオキシドジスムターゼという酵素にも亜鉛は含まれており、亜鉛が不足するとそれらの働きが抑制され、病気の原因にもなりうるわけです。

 

5つの栄養素をざっくりと話すとこんな感じです。

三大栄養素の理想的な摂取バランスや、現代人に不足しがちなビタミン、ミネラルといった話は別の記事で話したいと思いますが、今日はそのための予備知識的な話をしてみました。

こういった栄養学の話も、少しずつ話していけたらと思っています。

では、今日はこのあたりで。

 

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