ラードで揚げる豚カツ レシピ
プロの揚げ物は、油にこだわっているなーと思うし、自宅でも揚げ物をするのなら、可能な限り、そうすべきだとは思うのです。
逆に油にこだわっていないお店の揚げ物は、正直あまり美味しくないし、重いので、無理して食べると胃もたれします。これは家でも同じことです。
この「こだわる」というのは、もちろん油の鮮度のこともそうだし、その種類にも言えることです。
つまり、ベストな揚げ油とは、そのタネ、揚げ物の種類(天ぷら、フライ、唐揚げなど)によって異なる。という話です。
例えば、ある天ぷら職人は、太白胡麻油と菜種油をブレンドして使っています。
ごま油は香り豊かで天ぷらとの相性が良いのですが、温度が上がりづらいという欠点があります。
ですが、菜種油をブレンドすると菜種油の方が発煙点が上なので、温度が上がりやすくなり、天ぷらがよりカラッと揚がるようになるのです。
また、今回ご紹介するように、とんかつであれば、「ラード」で揚げるのがベストでしょう。
実際にプロのとんかつ屋さんもそうしているケースが多いです。
ラードは豚の脂ですから、ほんのりと甘みがあり、当然豚との相性も良いです。
「ラードは重い」という方もいらっしゃいますが、ラードにもクオリティがあるので、これは一概には言えません。
クオリティの高いラードは決して重くはない。僕はそう思います。
いずれにしても、ラードは程良く粘性があるので、揚げ油から取り出しても、外側に残っている油が表面の余分な水分を飛ばしてくれます。
だから、外はカリッと、中はジューシーという、美味しいとんかつが揚がるのです。
ラードは、とんかつ以外にも、メンチカツ、鶏のからあげ、フライドポテトなどと相性が良い油です。
大きめのスーパー(店による)やネットで入手可能なので、是非試してみてください。
ラードを使わない場合も、基本的に揚げ方は一緒です。
《材料 5枚分》
豚ロース肉(とんかつ用) 5枚、卵 1個、薄力粉 適量、パン粉 適量、牛乳 50ml、塩 適量、黒胡椒 適量、ラード 適量、キャベツの千切り お好みで
《作り方》
(1)とんかつ用のロース肉の筋切りをする。必要であれば、肉を叩く。
赤身と外側の脂肪の境界あたりに筋が多いので、包丁の先など使って筋切りをします。
中には赤身の部分をフォークでブスブスと刺しまくったり、肉たたき用の器具を使い、肉の繊維をほぐす方もいらっしゃいます。
ただ、肉はやわらかければいいというものでもないと思うし、僕は拳で軽くパンチする程度にしています。拳が痛いという方は、ウイスキーの空き瓶の角とかでゴツゴツ叩いても良いです。
いずれにしても、ここで豚肉を軽く叩いておくと、火の通りは良くなりますし、肉の表面積が広くなるので、とんかつのボリューム感はでます。
(2)とんかつの衣の準備をする。ボウルに卵を1個、分量の牛乳、塩、黒胡椒を少量入れて、しっかりと混ぜておく。別の容器にパン粉を割とたっぷり入れておく。
パン粉はたっぷり準備しておきます。余ったら、ビニール袋に入れて冷凍保存しておけば、次回フライを揚げる時にまた利用できます。
(3)茶こしに薄力粉を入れて、それをふるいながら豚肉の両面に割としっかりまぶしておく。
(4)ロース肉に衣をつけて、タネを作る。卵液、パン粉の順番で衣をつける。
豚肉を卵液に入れる手と、パン粉を触る手は決めておくと良いです。それぞれを両手を使いながら作業していると、手にパン粉がくっつき作業しづらくなります。
たっぷりのパン粉をかけ、上から軽く押さえつけて、まんべんなくパン粉をつけていきます。
(5)タネを揚げる。揚げ物用の鍋にラードを入れて加熱し、160℃くらいになったらタネをそっと入れる。2~3分ほど中~高温でじっくりと揚げる。
ラードに限らず、揚げ油の量は、割とたっぷりが良いです。揚げ油の量が少ないと、油は傷みやすくなります。
また、たっぷりの油で揚げると、タネに均一に火が通りますので、上手に揚げることができます。
揚げ油の温度についてですが、卵液を含んだパン粉を揚げ油に投下してみて、完全に鍋底に沈まず、少し沈んで1秒くらいで浮上してくるくらいが160℃です。
全く衣が沈まないようだと温度はそれ以上ですので、火力を少し下げましょう。
(6)タネがこんがりときつね色に変わり、タネから出ている気泡が小さくなってきたところで取り出し、余分な油を切る。
とんかつをキッチンペーパーの上に取り出す方がいらっしゃいますが、蒸れてサクサク感が無くなってしまいますから、バットの網の上に直接置いた方がいいと思います。
これは、とんかつに限らず、揚げ物全般に言えることです。
(7)盛り付ける。キャベツの千切りをたっぷりと添えて、出来上がり。
キャベツの千切りに大葉の千切りも混ぜると、良いアクセントになるので、オススメです。