家庭料理の4大プレート説

家庭料理とは呼ばれるものは、一回作って終わりではありません。

ここで言う家庭料理とは、必ずしも家族のために作る料理を指しているわけではなく、自宅で作る料理という意味合いです。

いずれにしても、多くの場合、この家庭料理を作る頻度を増やすということが、健康維持に直結するとは思うのです。

食事のアンバランスを是正できるのは、外食ではなく、自宅で作る料理の方にあります。少なくとも、その選択肢が多いのは確かです。

最近では、健康志向というブームがあるため、外食産業もヘルシー路線にシフトする動きはありますが、それはほんの一部に過ぎません。

というか、外食産業の健康志向というのは、殆どが「マーケティングのため」のものであって、消費者の健康のことを第一に考えているわけではないのです。

これは悲観しているわけではなく、仕方のないことだと思います。

もし全ての外食産業が健康第一になってしまったら、べらぼうに高いお値段になってしまいますから。

例えば、ファミレスのモーニングセット(トースト、ゆで卵、コーヒー)が2,500円とか。そんな感じになってしまうと思うのです。

パンの原料の小麦にしろ、卵にしろ、僕らの体に悪影響が少ないものという観点で選ぶと、その原価はどうしても上がってしまいます。

実際に、1斤3,000円の食パンとか、1個300円の卵とか、本当にあるのです。

しかも、これらは大量生産を前提としていないので、多くの人が欲しがれば、当然、値段はさらに上がる。もしくは入手困難になるので、あまり現実的ではないのです。

というわけで、外食産業に健康志向を期待し過ぎるのではなく、それらは気休め程度と割り切って、自分でできることを実践する。

これが食事による健康法の基本だと思うのです。

 

さて、前置きが長くなりましたが、今日は「料理レベルのバランスのとり方
」について話します。

繰り返しになりますが、食事による健康法を実践するのなら、外食でコントロールしようとせず、自宅でコントロールする方が選択肢も多く、現実的です。

自宅でコントロールするというのは、「自分で料理を作る」ということですが、そもそも「何を作れば良いのか?」これが分からない人もいらっしゃると思います。

そこで、今日はアイデアの1つとして記事を書いているわけですが、下の写真のような4プレートを作ってみてはいかがでしょう。

これは、僕のある日の夕食です。

一応、メニューを説明すると、左上が生野菜のサラダ、右上が鶏胸肉とセロリのローリエ炒め、下はご飯と味噌汁です。

もちろん、この献立を毎日作りましょう、ということではありません。

ですが、この4皿にはそれぞれの役割があって、これらは可能な限り、毎日満たして欲しいと思っています。

そして、そのために、次の4つのプレート(器レベルの料理のこと)を作ると良いと考えているのです。

1.生野菜が主体のサラダ

2.タンパク質を豊富に含む主菜

3.ご飯(お米)

4.味噌汁

では、1つずつ、その役割を見ていきましょう。

 

1.生野菜が主体のサラダ

まず、生野菜が主体のサラダということですが、これは「生野菜」という部分が重要です。

最近は落ち着きましたが、少し前に「ローフード」が物凄く流行っていました。

ローフードには消化酵素が含まれていて、それらを摂ることで体内の消化酵素の負担が軽減できる。だから、積極的に生のものを食べましょう。という考えです。

確かに、これは一理あります。

しかし、誤解している方がとても多いのですが、これは自己消化のことではありません。

どういうことかと言うと、例えば、生の玉ねぎを食べた時、それ自体に含まれている消化酵素は玉ねぎを消化するのには役立たない、ということです。

ちなみに、玉ねぎは調理法にもよりますが、生で食べるよりは、加熱調理したものを食べた方が消化スピードが早いことが分かっています。

では、生の玉ねぎに含まれている消化酵素は役立たずなのかといったら、そんなことはありません。

例えば、生の玉ねぎの消化酵素は、肉や魚といったタンパク質源と一緒に食べる時に、その効力を発揮します。

生の玉ねぎに含まれている酵素が肉や魚のタンパク質を分解してくれるので、それらを消化するスピードが上がるのです。

何も玉ねぎに限ったことではありません。レタスだってクレソンだって同じことです。

ただし、注意点があるのですが、それは消化酵素を含む生野菜は、魚やお肉とほぼ同時に食べることが条件です。

というのは、生野菜に含まれている消化酵素は胃に入ると分解されてしまうので、消化酵素としての機能を失ってしまうのです。

したがって、生野菜のサラダは最初に一気に食べるというよりは、2で触れるタンパク質を豊富に含む主菜と一緒に食べるのがベストです。

そうすることで、肉や魚といったタンパク質源の消化効率が高まるのです。

(料理の食べる順番については、その目的によっても異なるし、話し出すと長くなるので、また別の機会に話しますが。)

 

それから、もう1点。生野菜を毎日食べる習慣には、身体を鍛えることができるというメリットがあります。

これも順を追って話すと長くなるのですが、基本的に自然界の植物は外敵から身を守るために少なからず毒素を備えています。

だから、自然界には人が食べたら最悪、死に至るような危ない植物がごまんと存在しているのです。

一方で、僕らが食べても平気な植物もあるわけです。

それらは、比較的に人間にとって害の少ないもので、かつ、人間が食べやすいように改良されてきたものです。なので、食べても平気なのです。

それでも、生では食べない方がいい(加熱した方がいい)植物はあります。

例えば、豆、穀物、じゃがいもあたりは、普通は加熱して食べます。

生では反栄養素(要するに、毒素のこと)が強すぎて、人体への悪影響が強いためです。

逆に、生で食べても全く問題のない植物もあります。それは果物全般です。

これについては、反論はないでしょう。

 

そして、この中間があるのですが、それは「葉もの野菜」と呼ばれるものです。

例えば、レタスを筆頭に、キャベツ、水菜、三つ葉などもそうだし、白菜、ほうれん草、小松菜なども葉もの野菜です。

これらは生で食べても基本的には平気ですが、大量に食べない方が、もしくは長期的に食べ続けない方がいいものもあります。

例えば、ものによるのですが、ほうれん草に含まれるシュウ酸は体に良くない成分と言われています。

ただ、このシュウ酸に関しては茹でることで7割程度減らすことができます。

だから、ほうれん草は生ではなく、茹でて食べた方が良いわけです。その方が明らかに美味しいですし。

それはそうと、レタスやキャベツなどにも微量ではありますが、体内のミトコンドリアを攻撃する成分が含まれています。

ですが、このミトコンドリアに対しての程よい攻撃が、身体を鍛える(丈夫にする)という説があります。

これについても詳しい話は別の機会でしますが、とにかく、これらの成分も加熱すると損失するものです。

なので、結論としては、健康維持のために生で食べられる野菜は、なるべく生で食べましょう。ということです。

そうすることで、結果として、ミトコンドリアが活性化し、健康体をキープできるのです。

ちなみに、僕は写真だとイメージしづらいと思いますが、大きな木のボウル(ラーメンのどんぶりサイズ)でたっぷりと生野菜のサラダを食べています。

食べるのに時間がかかりますが、それだけの価値はあると思っています。

 

2.タンパク質を豊富に含む主菜

おそらく、現代人はタンパク質の摂取が不十分です。

三大栄養素の摂取バランスを考えると、タンパク質の摂取不足、脂質・糖質の摂取過多状態です。

この傾向は、PFCバランスの推移を見れば明らかです。

ちなみに、PFCとは、タンパク質(Protein)、脂質(Fat)、炭水化物(Carbohydrate)の頭文字のことです。

このPFCの適正なバランスは、個人差があるので何とも言えないのですが、それでも全体的な傾向としては、タンパク質の割合が減っています。

しかも、この話はPFCバランスが乱れているということだけではなく、絶対量も減っていることも問題です。

実際に20年前に比べて、タンパク質の摂取量は10~15%ほど減少しています。

タンパク質とは、筋肉はもちろんのこと、髪の毛、内臓、皮膚、酵素やホルモンの材料であり、健康維持には欠かせない栄養素の1つなのです。

そのタンパク質が不足しているということが、身体の不具合の原因なのかもしれません。

少なくとも、僕はタンパク質を意識して摂るようになってから、だいぶ疲れにくい体質になりました。また、冷え性も改善しました。

ですから、僕は「タンパク質をもっと摂りましょう。」と、多くの方にはアドバイスしているわけです。

そして、これを食事で完結させるのであれば、「タンパク質源を豊富に含む主菜を摂る」ということになります。

 

3.ご飯(お米)

少し前までローフードが流行っていたという話はしましたが、最近はどうやら「糖質制限」というワードに注目が集まっています。

糖質制限の是非については、また別の記事で話せたらなと思っていますが、結論だけ言ってしまうと、多くの人は糖質を制限すべきだとは思います。

もちろん個人差はありますが、30歳を過ぎたら、徐々に糖質の摂取は減らした方が良いと考えています。

ですが、糖質を極端にカットすることはオススメしません。というか、反対です。

いくつもの研究によって、過度な糖質制限が死亡リスクを高めるということが明らかになっています。

ある大規模な追跡調査によれば、糖質(炭水化物)の摂取比率35%くらいで最も死亡リスクが高く、逆に糖質の摂取比率60%付近で死亡リスクが最も低い、という結果が出ています。

糖質の過剰摂取は、糖化の原因になる。肥満に繋がる。など、糖質には良くないイメージをお持ちの方が多いかもしれませんし、糖質の摂り過ぎが良くないのは確かです。

ですが、糖質の摂取比率が35~60%においては、結果は逆なのです。

ですから、健康のことを想うなら、一定量は炭水化物を摂るべきで、なるべく毎日、「ご飯」を食べるべきだと思うのです。

それと、ここで大事なポイントがあるのですが、それは「炭水化物ではなく、ご飯(お米)」という点です。

パンや麺類も炭水化物ですが、基本的にグルテンが含まれていること。また、そのクオリティを限定できないという点で、ご飯に比べると、不安材料が増えてしまうからです。

グルテンについての話は、こちら(グルテンは本当に身体に悪いのか?)をご参照ください。

そこでも触れましたが、僕自身、パンや麺類を一切食べないわけではありません。時々、嗜好品としていただいています。

ですが、やはりベースは「ご飯」です。

健康のことを想うなら、このことは肝に銘じておきましょう。

 

4.味噌汁

そして、この味噌汁も先にご紹介した3プレートと同様、健康維持のために重要な料理だと考えています。

まず、栄養的には、「有用菌」が豊富に摂れる。という大きなメリットがあります。

腸内細菌は悪玉、日和見、善玉で構成されていると言われていますが、善玉菌の餌を与え続けてあげないと、悪玉が優位になってしまいます。

ですから、巷の健康法では、味噌を始め、キムチやヨーグルトといった発酵食品を積極的に摂りましょう、と言っているのです。

その中でも、僕は味噌が最も優秀な発酵食品だと考えています。

例えば、キムチやたくあんといった漬物系も発酵食品ですが、塩分が強すぎる場合があり、それは摂り過ぎると良くないことです。

ヨーグルトも毎日食べるにしては、乳製品全般の問題があり、あまりオススメはできないのです。

乳製品の問題点について学びたい方は、こちらの記事(牛乳が身体に悪い理由)を読んでみてください。

納豆は個人的には好きだし、オススメなのですが、味噌汁に比べたら、どうしても好き嫌いが分かれます。

というわけで、有用菌を食事から摂る手段は、味噌汁がベストだと思うのです。

味噌汁は食べ過ぎるという心配もありませんし。

それに、味噌汁のメリットは菌だけではありません。その具材によって、さらに栄養価を高めることができるのです。

例えば、豆腐とわかめの味噌汁であれば、タンパク質も6gほど摂れますし、海藻の有効成分(ヨウ素やフコイダンなど)も同時に摂ることができます。

実際に、味噌汁を飲む習慣が健康維持に直結するという研究も多いです。

1日3杯以上の味噌汁を飲む習慣がある人たちは、乳がんの発生率が40%少なかった。

喫煙者が毎日味噌汁を飲むと死亡率は低下した。

といったデータもあります。

毎日味噌汁を飲むことは、健康寿命を延ばす大きなカギかもしれないのです。

 

といった感じで、今日は自宅で料理をするのなら、この4プレートを作ることを目指しましょう、という話をしました。

この4プレートが整えば、食事の満足度も上がるし、栄養バランスも良くなるので、基本的にはデメリットはありません。

あとは、料理以外の時間の方が大切な方が多いでしょうから、「どれだけ手軽に料理ができるか?」という要素も考慮する必要はあるのですが。

そのあたりのアイデアも大切なことだとは思うので、別の記事で書けたらなと思っています。

では、ひとまず、今日はこのあたりで。

 

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