フィトケミカルは誤解されている

今日はフィトケミカルとは何なのか?なぜ、身体に良いと言われているのか?考察していこうと思います。

特に後者については、多くの方が誤解していると思うし、これについて正しく理解すると、健康法についての考えが変わるかもしれません。それほど大切な話です。

では、まずはフィトケミカルとは何なのか?という話から。

 

フィトケミカルとは、直訳すると植物由来の化学物質の総称のことです。

ファイトケミカルとも呼ばれることがありますが、この「ファイト」とは、ギリシャ語で「植物」という意味で、「ケミカル」は化学物質という意味があります。

ただ、一般的にはその中で健康維持に役立つであろうものを、僕らはフィトケミカル、ないしファイトケミカルと呼んでいるのです。

自然界の植物に含まれているフィトケミカルは数千種類と言われていますが、大きく分けると、ポリフェノール群、カロテノイド群、硫黄化合物群の3つがあり、さらに細分化されます。

例えば、ポリフェノール群で有名なものですと、お茶に含まれているカテキン、赤ワインに含まれているアントシアニンやタンニン、大豆に含まれているイソフラボンなどがあります。

カロテノイド群で有名なものですと、ニンジンやホウレン草などに含まれるβカロテン、トマトやスイカに含まれるリコピンなどもフィトケミカルの一種です。

また、硫黄化合物群だと、にんにくや玉ねぎなどに含まれている、強い刺激臭のアリシンやアリインなどがあります。

 

基本的に全てのフィトケミカルには、抗酸化作用があると言われています。

抗酸化作用とは簡単に言うと、酸化を抑える作用のことです。

ただし、最近の研究では、僕らが食事から摂取できるフィトケミカルの量はごく僅かで、それ自体の効果はあまり期待できないという話もあります。

そのかわり、興味深いことが分かってきました。

それは、フィトケミカルは実は酸化を促進させるというものです。

 

例えば、「ブロッコリーは健康に良いですよ。」とは、一般的に言われることですが、その理由は一般的に考えられているものとは、どうやら違うようなのです。

どういうことかと言うと、ブロッコリーに含まれているスルフォラファンはフィトケミカルの一種で抗酸化作用があると言われていますが、実は酸化を促進させる働きもあります。

酸化を促進させるということは。ブロッコリーを食べた者の細胞に攻撃をしていることを意味し、多かれ少なかれ肉体的なストレスになります。

そういう意味では、ブロッコリーに含まれているスルフォラファンは自然毒の一種と考えていいでしょう。

ブロッコリーは、それらの自然毒を用いることで外敵から自らの身を守ろうとしているのです。

 

そもそも、フィトケミカルは自然界の植物が、紫外線や昆虫などの外敵から自らの身を守るために作り出している物質で、それを食べる人間が健康になるために作られた物質ではありません。

ただ、それと同じように人間も自分たちの身を守ろうと必死なわけで、酸化に対抗して、体内で抗酸化物質を作り出します。

どういうことかと言うと、人の体内では活性酸素が生じると、SOD(スーパーオキシドディスムターゼ)という酵素が活性化します。

そして多くの場合、この酵素によって、体内で発生した活性酸素は消去されるようになっているのです。

そのきっかけになるものが、ブロッコリーのようなフィトケミカルを含んだ植物を食べることだというのです。

 

ブロッコリーに限らず、にんにくも同じことが言えます。

にんにくには、アリシン、アリイン、アホエンなど様々な抗酸化物質が含まれています。

ですから、一般的にはにんにくを食べることによって、活性酸素を除去できると言われているわけです。

ですが、ある研究によれば、にんにくと抗酸化剤を一緒に摂ると、にんにくの抗酸化作用は打ち消されることが分かっています。

この研究は、「にんにく=酸化を促進するもの」ということを示唆しています。

というのも、にんにくに含まれている「ジアリルトリスルフィド」という成分は、強力な抗酸化作用を持つと考えられているのですが、この成分が抗酸化剤によって打ち消されたというのです。

抗酸化剤を打ち消すものは酸化剤です。つまり、ジアリルトリスルフィドは酸化剤だと考えることもできるのです。

要するに、何が言いたいのかというと、こういうことです。

ジアリルトリスルフィドは酸化を促進する。すると、体内では抗酸化物質が作られる。よって、活性酸素は除去される。ゆえに、ジアリルトリスルフィドは、身体に良い成分である。

 

この考え方は、「ホルミシス効果」に似ているのですが、そのストレスが適度である限り、人はそれに対抗できるし、そうすることで身体は鍛えられて、結果的に健康体がキープできるというものです。

ただ、強烈なフィトケミカル、ないし自然毒を持つ植物になると、僕ら人間は対抗できなくなってきます。

例えば、トリカブトの持つアコニチンだって、植物由来の化学物質ですから、そういう意味ではフィトケミカルと言えなくはないです。でも、人にとっては猛毒です。

ですが、こうした強烈な成分を含む植物は人の食生活には定着していないので、一般的な食生活においては、まず問題にはなりません。

ただし、生の植物ばかりを食べ続けると健康を害するという研究結果はあります。

それについては、また別の記事で話せたらなと思っています。

 

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