「野菜たっぷりの食事=ヘルシー」というのは現代人の常識になりつつあります。
一方で、野菜はあまり摂らない。でも、健康そうな人たちの存在を見聞きすることもあります。
有名人で言えば、メジャーリーガーのイチロー選手。
彼は全く野菜が食べられないわけではないのですが、好きなものを優先して食べた結果、食事に野菜が入り込む余地がなかったと言います。
特に日本でプレーしていた頃は、毎日のように焼肉ばかり食べていたとか、そんな話もあります。
ただ、メジャーに移籍してからは、奥さんが作ったカレーを毎日食べているそうで、カレーには玉ねぎ、トマト、りんごなどの野菜は入っているはずだし、お米も植物性食材ではあるので、それなりに野菜は摂っているのでは?と推測します。
あと、有名なのは、元サッカー選手の中田英寿。
彼は子供の頃から野菜が大嫌いで、食べられるのはジャガイモとトマトソースだけ。
ハンバーガーを食べるときは必ず野菜抜きを注文をし、バンズにケチャップをたっぷり塗って食べるそうです。
中田が頑なに野菜を食べない理由としては、「野菜を食べて得られるものよりも、嫌いなものを無理して食べるストレスの影響の方が大きい」ということ。
実際に彼の場合、野菜を食べると蕁麻疹が出ることもあるそうです。
本当の本当のところはわからないわけですが、野菜たっぷりの食事がヘルシーかどうかは、個人差があるとは思います。
結局のところ、自分が食べているものが身体に良いと思えるかどうかが大事なのです。
イチローだって、「野菜食べなきゃなー。カレーばかりは健康に良くないよなー。」と思っているわけではないのです。
というのも、彼の心配事は、「好きなものを食べられないことで、別の病気になるんじゃないか?」という一般的な人たちとは別のものなのであって、それはそれで良いのです。
それを踏まえた上で、今日の話をしていきますが、
今日は、週に1日、ベジタリアンの食事にすると良いですよ。
という話です。
ここでいうベジタリアンとは、ヴィーガンまで厳格なものではありません。
「主菜には動物性食材(肉、魚、卵)を使わない」くらいの話です。
なので、味噌汁に使う鰹出汁とか、パスタにパルメザンチーズをふりかけたり、これくらいならOKです。
もちろん、鰹出汁も乳製品をカットするというのも良いとは思います。
いずれにしても、週1ベジタリアン健康法には向きます。
さて、ベジタリアンのメリットはいくつかの角度から話ができるのですが、まず健康面の話をすると、動物性食材を摂らないことによるメリットを享受できる点です。
別の言い方をすると、動物性食材を摂ることによる害を防ぐことができる。ということです。
例えば、市販されているお肉の多くはグレインフェッドと呼ばれるもので、トウモロコシや大麦などの穀物を食べて育つ家畜のお肉です。
ここで問題になるのは、飼料のトウモロコシや大麦のクオリティです。
一般的なスーパーで売られている肉は安くする必要があり、そのためには安価な飼料を使う必要があります。
それで、安価な穀物には、遺伝子組み換えのもの、農薬を大量に使用したもの、カビ毒が混入しているものが多く、問題点が山積みです。
また、家畜に抗生物質が大量に投与されることもあり、その点も問題視されています。
ですから、健康のことを第一に考えるのなら、クオリティの悪い餌を食べ、抗生物質を大量に投与された家畜の健康状態は良くなく、本来はグラスフェッドのお肉を食べた方が安心ではあるのです。
実際にグラスフェッドの牛の寿命は10年以上が普通ですが、グレインフェッドの牛の寿命は3~4年という話もあります。
詳しいことは別の記事で話しますが、いずれにしても、農薬や抗生物質に含まれる成分は家畜の脂肪に蓄積されます。
だから、肉の脂を控えるというのは、身体にとっての有害物質を入れないという意味においては、賢い選択ではあります。
ベジタリアンであれば、今話したような害を受けずに済む。そういう話です。
では、魚はどうでしょう。
肉とは違い、餌や抗生物質による悪影響は少ないように思います。
確かに魚の餌は、養殖を除けばですが、基本的に植物性プランクトンです。
例えば、さんまはオキアミや動物性プランクトンを食べていますが、オキアミや動物性プランクトンは植物性プランクトンを食べています。
なので、間接的にではありますが、さんまは植物性プランクトンを食べていることになります。
よって、肉のような害はない。と言えるのですが、魚には別の問題があります。
それは、水銀などの重金属やマイクロプラスチックなどの問題です。
事実、厚労省もマグロには水銀が多く含まれているので、妊娠されている方は、週に1回以上、具体的には80g以上は食べない方が良いと公表しています。
また、スーパーで売られている魚は肉に比べると天然のものが多いですが、養殖の魚介類もあります。
これら養殖ものに関しては餌に穀物が使われえいることもあるし、抗生物質も使用していますから、肉と同じような害も考えられ、特に注意が必要です。
では、毎日ベジタリアンがベストなのでは?と考えるのがベストのような気がしますが、これにはこれで問題があります。
詳しい話は別の記事でできたらと思いますが、毎日ベジタリアンの食生活は食事の満足度の問題もあるし、栄養学的にも野菜からは十分に確保しづらい栄養素もあり、毎日ベジタリアンはいろいろな意味で難易度が高いのです。
なので、最終的には、「野菜と動物性食材をバランスよく摂るのが無難です。」という話に落ち着くわけですが、実はこの週1日ベジタリアンを実践するのは、もう少し深い意味があります。
それは、オートファジーという観点です。
オートファジーとは、こちらの記事(オートファジーとは)でも触れましたが、簡単に言うと、体内でタンパク質が不足すると、細胞内の不要物を再利用するようになり、その結果として、体内の毒素を排出することができる体内の仕組みのことです。
このオートファジーですが、週に1日、タンパク質を15g未満に抑えると、その効果が高まると言われてます。
ですから、週に1度は肉、魚、卵などをカットしましょう、とオススメしているのです。
それと、オートファジーを期待する場合、大豆などの豆類は大量に摂らないこともポイントになります。大豆は高タンパク質食材ですから。
このようにオートファージーを考慮したベジタリアンを週に1度、実践することで、身体に良くないであろうものを制限し、老廃物、毒素を体外に排出することができるのです。
野菜アレルギーじゃなければ、やってみる価値はあると思うので、興味を持たれた方は是非とも試してみてください。
ちなみに、写真のメニューは、春キャベツをたっぷりつ使ったミネストローネ。スーパースプラウト、きゅうり、トマト、ピーナッツなどを入れたワカモレと市販のクラッカー。あと、ホームベーカリーで焼いたくるみとレーズンの全粒粉パンです。
グルテンフリーにしてしまうと、ベジタリアンデーの選択肢が和食系だけになってしまうのですが、グルテンOKにすると、こうしてベジタリアンデーも美味しく食事が楽しめます。
パスタを始め、麺類もベジタリアンデーに楽しめますし。