「美味しい」と「健康」は両立できる
今日は新教材のご案内になります。
例によって長文になってしまいましたが、本編のダイジェスト的な要素もありますから、ご興味のある方はじっくり読んでみてください。
さて、これはとある今年の新年会での話ですが、誰かさんが得意げにこう言いました。
「美味しいものは身体に悪い!」
ドヤ顔で言われてしまうと、反射的に「なるほど・・」と返してしまう癖は良くないなーとは思うのですが(営業マン時代の職業病が未だに治らない)。
それはともかく、「美味しいものは身体に悪い!」これは限りなく「嘘」に近い話です。
「石原さとみが好きな人は、唇が厚い人が好き」と言っているようなものです。
個人的には石原さとみが好きですし、言われてみれば、唇が厚い女性は割と好みです。でも、唇が分厚ければ分厚いほど好きというわけではないですし、唇が厚くない女性が好きじゃないという話でもありません。
要するに何が言いたいのかというと、「美味しいものは身体に悪い」とは「そういう側面もある」という話に過ぎず、全てがそうじゃないよ。ということです。
これはこのレターを通してしっかりとお伝えしたいことなのですが、僕は美味しいもの自体が身体に悪いとは思っていません。
むしろ、「美味しい食生活は、身体に良い」と考えています。
確かに、美味しいものを食べ過ぎることが、身体の不調の原因になることはあるでしょう。
ですが、その最も直接的な原因は「美味しいもの」ではありません。おそらく「食べ過ぎた」ことです。
もしくは「同じようなものばかり食べている」という食生活に問題があるかもしれません。
また、「良薬は口に苦し」という諺もある通りで、美味しくないものが病魔を退治してくれることは、しばしあります。
そういう意味においては、「美味しくないものが身体に良い」と言えなくはないです。
ですが、僕に言わせれば、薬とは基本的に「健康ではない人が飲むもの」です。
つまり本来、苦い薬は健康な人にとっては必要ないものなのです。
実際に僕自身も10年以上、大きな病気になることもなく、よって薬も全く飲んでいません。医者とも無縁の日々を送っています。
ですが、基本的に毎日、美味しいものを食べています。特にこの2、3年は「本当に美味しいもの」を食べているなーと、つくづく思う次第です。
だからこそ確信しているのですが、この世界には、美味しくて身体に良いものはたくさんあります。
正確に言うと、たくさんある美味しいものを「バランスよく」食べることが身体に良い。そういうことなのですが。
そして、この「バランスよく」というフレーズの意味を十分に理解すること。理解出来たら実践してみること。さらに、その中で継続出来そうなものを続けていくこと。
この一連の営みが健康体をキープするために最も大切なことだと、僕は考えています。
では、「バランスよく」とは一体何なのでしょう?どういう状態を指しているのでしょうか?
それは残念ながら一言では答えられません。いや、答えられなくはないのですが、順を追って解説していかないと、伝えたいことが十分に伝わらないと感じています。
だから、今回ご紹介する新教材を作ったわけです。「バランスよく」の意味をお伝えするために。
いずれにせよ、この世界には美味しくて身体に良いものはたくさんあるわけで、それを知らない人がいるなんて「勿体ないなー」と思わずにはいられません。
“健康に気を遣っていますか?
本当にそう言い切れますか?”
「病気になったらお医者さんに診察してもらい、薬をもらう。」
これは現代人、特に日本人においては、普通のことだとは思います。僕も20代前半まではそうしていました。
でも、それ以前に「病気にならないように健康に気を遣う」ということも、普通というか、合理的というか、とにかく当たり前のことです。まずは、この事実にも気付くべきだと思うのです。
誰しも病気になりたくないはずだし、「病気になったら、医者に行けばいいや~」と思っているわけではないでしょう(時間が奪われ、お金もかかるわけですから)。
病気にならないに越したことはない。それが本音のはずです。
ならば、実際に健康に気を遣っていますか?
そもそも健康に気を遣っていれば、そして、その方法が間違っていなければ、病気(少なくとも医者に行かなければならない状況)になることは、まずありません。苦い薬を飲む必要もないのです。
そうは言っても、世の中には薬を必要としている人が少なからずいらっしゃるのも、また事実です。
難病を抱えて生まれて来た方もいらっしゃるでしょうし、薬を飲まなければ生死に関わるというケースもあるかもしれません。また、薬を飲むことで病気による慢性的な苦痛を和らげることもできます。精神的にとても楽になる方もいらっしゃるでしょう。なので、薬を全否定したいわけではありません。
ですが、「何でもかんでも医者任せ」というのは、決して良い考えではありません。
多くの人は、医者に頼らずとも身体の不調は改善出来るし、医者要らずの強い身体になることは可能なのです。
その根拠は大きく、2つあります。
第一に、人には自然治癒力が備わっています。
つまり、仮に外傷を負っても、風邪を引いたとしても、時間が経てば自然に治る。僕ら人間にはそういう力が元々備わっているのです。
もちろん絶対にと言い切れる話ではありませんが、がんですら薬に頼らず自然治癒力によって撃退することは可能なのです。(ゲルソン療法はとても有名な例ですが)
そして、これは「薬は必須ではありませんよ」という話にとどまりません。できることなら、「薬は飲まない方がいい」のです。
どういうことかと言うと、自然治癒力は使わないと(鍛えておかないと)、衰えてしまいます。
つまり、怪我や病気になった時に、いつも薬に頼りっきりだと、自然治癒力が弱まり、さらに病弱な身体になってしまうのです。
また、自然治癒力は後天的に鍛えることが可能です。
これに関しては数々の研究で明らかになっていることですが、身体の不具合を薬によって治すという、いわゆる西洋医学的な対処療法は、二重の意味(自然治癒力が衰える。そして鍛えられない)で、あまりオススメできないのです。
そして第二に、健康維持に必要な栄養素について、分子レベルで(要するに、だいぶ正確に)説明できるようになってきました。
それによって、「バランスの良い食事がどんなものなのか?」はもちろんのこと、「それはなぜ?」という根拠についても、経験則だけではなく科学的にも説明出来るようになってきたのです。
これは思いのほか、喜ばしい話です。
今までは半信半疑だった伝承医学が科学的にも証明された。だとすれば、もはや疑いの余地はあまりないわけで、それは現時点の最高の健康法に違いないからです。
“なぜか誰もが知っている確かなこと”
伝承医学のように体系化された話ではありませんが、昔から伝わる金言があります。
「何でもバランスよく食べなきゃダメよ。」
あなたがまだ幼かった頃、母親や先生に何度となく言われたことでしょう。そして、これ自体は間違いではありません。
ただし、問題なのは、肝心の「バランスよく」とはどういう状態なのか?多くの人たちはあまりよく分かっていないという点です。
無理もありません。こんなにも健康に関する情報が溢れているというのに「食のバランス」に踏み込んだ話は殆どありませんから。
にもかかわらず、「何でもバランスよく食べなきゃダメよ。」は金言に違いなく、それが感覚的に正しいことだと分かっているから、誰もが反論しようとは思わないのです。
「○○だけをひたすら食べ続けると健康にいいよ」という話を聞かないのは、おそらく必然でしょう。
調べると分かる事ですが、エスキモーだってアザラシだけをひたすら食べ続けているわけではないのです。
僕ら人間の祖先は、ユーカリの葉っぱをひたすら食べ続けるコアラとは真逆の進化を選びました。
生物学を学べば、人という種は「○○だけをひたすら食べる」ことに向かないことがよく分かります。
ひょっとしたら、反論があるかもしれません。食に関して、動物を一切食べないベジタリアンと呼ばれる人たちもいますから。
でも、キャロッタリアンないしキャロリスト?(要するに人参だけをひたすら食べ続けている人々)はさすがに聞いたことがありません。それはたぶん、そんな人たちは存在しないからです。
ちなみに、コアラは基本的にユーカリアンないしユーカリストなのですよ。
いずれにせよ、複数の有効成分の集合体である人参ですら(他の野菜でも同じことですが)、単体では人の生命活動を維持するパワーはないわけで、多かれ少なかれ「何でもバランスよく食べなきゃダメよ。」は、本当のことだなーと感じています。
「では、食のバランスとは何なのか?」という話になってきますが、こればかりは自発的に学ぶ姿勢がないと知り得ないことです。
この「食のバランス」の概念については、基本的には今まで誰も教えてくれなかったことですし、追々話していきますが、自ら学ぶにしてもいろいろな意味で難しいことなのです。
例えば、僕は母の病気が大きなきっかけになり(それ以外にも思うところがあって)、健康に関する書籍を読み漁るようになったのですが、学べば学ぶほど、様々な疑問が生じるものです。
国内の情報だけでは疑問は晴れず、洋書や海外の論文と格闘することもありました。こんな日が来るのなら、もっと真面目に英語を勉強しておけば良かったと何度思ったことか・・
英語が出来ると、日本では知り得ない情報にアクセスできるわけですが、このメリットは想像以上に大きいものです。なので、英語は出来た方が絶対に良いです。
ま、それは今はいいとして、紆余曲折を経てやっと「バランスよく」の意味が分かってきました。
“チープな情報にも「本質」はある”
このレターで全てを語ることはできませんが、バランスの概念について話しておこうと思います。が、その前に、まずは巷の健康法の問題点に少し触れておきます。
これは健康業界に限った話ではありませんが、いろいろなことを言う人がいます。
例えば、適当に健康本?のタイトルを並べてみました。
・長生きしたけりゃ肉は食べるな
・50歳からは肉を食べ始めなさい
・穀菜食で病気にならない強い身体をつくる
・「野菜中心」をやめなさい
・オリーブオイル・サラダオイルは今すぐやめなさい
・新オリーブオイル健康法
これらのタイトルを全て間に受けてしまうと、随分とあべこべな話になってきます。真面目な人ほど混乱してしまうかもしれません。「一体どれが正しい情報なのか?」と。
ですが、こんなものは一例に過ぎません。何かを一定水準以上学ぶようになると、いろいろなことを言う人に遭遇するようになる。ただそれだけの話です。
ものにもよりますが、簡単に手に入る情報は、基本的に「そういう側面がありますよ」という話に過ぎません。
例えば、肉食の是非にしても、肉食には健康面におけるメリットとデメリットがあります。そして、それらは普通、共存しているものです。
なのに、例えばAという書籍では肉食のメリットだけが、Bという書籍では肉食のデメリットだけが語られています。
でも、それが全てではないのです。その時点で反論が出ているわけですし。
いずれにせよ、「そういう側面がある」という意味においては、AもBも正しいことは言っています。だから、混乱することはありません。むしろ「なるほどー」なのです。
肉食の是非については本編でも解説することですが、今ここで伝えておきたいのは、「1冊の健康本の情報だけを信じることはリスキーですよ」ということです。それがあなたにとって、真逆のノウハウかもしれませんから。
ちなみに、これは僕の昔からの習慣というか癖なのですが、例えば「長生きしたけりゃ肉は食べるな」という情報が入って来た時に、「本当にそうか?」と一度疑ってかかります。
ひとまず、反論はないか?探すことにしているのです。
そうすると、だいたい反論が見つかります。なるほどー、「50歳からは肉を食べ始めなさい」そうきましたかー。といった具合に。
別に信じることがいけないという話ではないのですが、多くの人は良くも悪くも簡単に人を信じ過ぎです。
だから、反論はないか?などと調べようとしないのだと思います。
いろいろな主張をする人がいて当然だし、それらの中からその時の自分にとって最も正しい答えを探す。「何かを学ぶ」ということは、そういうことなのかなと、僕は考えています。
“二元論からの脱却”
気がつけば、本やネットに限らず、テレビのゴールデンタイムでも健康法が取り上げられる時代になりました。にもかかわらず、先程も言いましたが「食のバランス」について深く掘り下げた話は殆どありません。
その理由はいろいろあるのですが、1つ言えることは、巷の健康法たちが食べ物を「身体に良い、身体に悪い」で二分する傾向が強いことです。(これはとても楽なのです。バランス云々の話を回避できますから。)
例を挙げるときりがないのですが、
・玄米は体に良い。
・白米は体に良くない。
・牛乳は体に悪い。
・砂糖は体に良くない。
・ココナッツオイルは体に良い。
・加熱調理は体に良くない。
・有機野菜は慣行野菜よりもヘルシー。など。
でも、実際は、そう簡単に二分できる問題ではないのです。
例えば、野菜の選び方について話しましょうか。
巷の健康法であれば、例えば「野菜は、有機栽培されたものを選びましょう!」と単純明快に教えてくれるかもしれません。「有機野菜は栄養価が高く、無農薬なので身体への害は少ないから」と彼らは主張するわけです。
しかし、必ずしもそうではありません。
ここで有機野菜に関して、僕の考えを話しておこうと思うのですが、有機野菜の多くは過大評価されています。
栄養価にしても、「有機野菜>慣行野菜(一般的な農薬を使って育てた野菜)」という図式は、常に当てはまるものではないのです。
誤解のないように言っておくと、「慣行野菜>有機野菜」という話がしたいわけでもありません。
まず、確かに1つ言えることは、「有機野菜にもクオリティの高いものとそうでないものがあって、慣行野菜もまた然り」ということです。
ここで言うクオリティの高い野菜とは、「栄養価が高く、そのバランスが良い野菜」という意味合いですが、栽培時に投じる農薬や肥料の量が多くなればなるほど、その野菜の栄養バランスは偏る傾向があります。
それを踏まえた上で話を続けますが、有機栽培とは農薬を一切使わない栽培方法ではありません。これは誤解している方がとても多いです。
有機JAS法で使用が認められている農薬は約30種類あり、それらは使って良いのです。
そして、これらには使用量の上限はなく、有機野菜は慣行野菜よりも危険なのでは?という説もあります。
また、有機肥料にも問題があります。
有機肥料とは、自然界にある原料から作られた肥料のことですが、実際には家畜の糞などが使われることが殆どです。
家畜の糞を肥料に使うと、土壌のアンモニアや硝酸態窒素が著しく増加し、その結果、害虫による被害が発生しやすくなります。
当然ですが、害虫の被害が増えると、それを防ぐためにより多くの農薬を使う必要が生じるわけで、これは明らかに悪循環です。
結局、「有機野菜と慣行野菜、どちらが栄養のバランスが優れているのか?」という話ですが、僕が調べた限り「どちらが優れているとは言い切れない」という曖昧な結果が、どうやら最有力です。
というのも、野菜の栄養価の違いは「有機栽培か慣行栽培か?」というラベル以外の要素(季節や天候、地理的な条件など)が大きく関係しているようで、結局曖昧な結果になってしまうのです。
ちなみに、有機栽培か慣行栽培か?この選択はちょうど漢方と西洋医学の関係に似ています。
漢方は自然界にある原料を薬として使うのに対し、西洋医学の薬は人工的に作った化合物です。
漢方は自然由来なので身体に良さそうなイメージはありますが、薬ほどの即効性はなく、その成分が身体から抜けづらい性質もあります。
有機肥料も同様のことが言えて、即効性を求めると絶対量が必要になりますし、それらは土壌から簡単には無くなりませんから、過剰に撒いた肥料による害は長期的に続くことになります。
今は有機野菜について「こういう側面もありますよ」という話をしているわけですが、ここで伝えておきたいことは、「大量生産を前提とした有機栽培は、慣行栽培に比べて身体に良いものだとは言い切れない」ということです。
場合によっては、慣行栽培の方が安全かもしれません。
もっとも、これらの問題点は農家の方々も認識していることで、最近では、昔ながらの自然栽培にこだわって農作物を作っている方も増えてきました。
自然栽培とは、簡単に言うと有機栽培で認められている農薬や肥料もなるべく使わず、太陽、水、土といった自然の力によって農作物を栽培する方法です。
ただし、自然栽培で作られた農作物は、どんなに身体に良いものであったとしても、大量生産が難しく供給が追いつかないというデメリットもあります。
また、自然栽培は有機栽培のような認定制度がなく自己申告制ですから、もしかしたら、昨今の健康ブームにあやかって、慣行野菜を自然栽培されたものとして商売しているインチキ業者が紛れ込んでいるかもしれません。
「で、結局何を基準に野菜を選べばいいのですか?」という疑問は残ると思いますが、僕なりの答えは本編で順を追って解説していきます。
「続きはWEBで」的な話になってしまいましたが、この問題は一例に過ぎません。
今回は「有機野菜は身体に良い、慣行野菜は身体に悪い」説に対して、「本当にそうなのか?」という疑問を自分なりに解決してみだけで、他にも食に関する疑問はいくつもあるわけです。
・本当に玄米は体に良いのだろうか?
・本当に白米は体に良くないのだろうか?
・本当に牛乳は体に悪いのだろうか?
・本当に砂糖は体に良くないのだろうか?
・本当にココナッツオイルは体に良いのだろうか?
・本当に加熱調理は身体に良くないのだろうか?など。
もちろん、これらも一部に過ぎませんが、本編をじっくり読んでいただけたら、食生活に関する一般的な疑問にほぼ全てお答えできるとは思っています。
“万人のための健康法”
さて、話をバランスに戻します。
健康維持のために気を遣うことと言えば、大きく2つあって、それは「食事」と「運動」です。
今回は「食事」の方に特化した健康法の話をしているわけですが、健康維持のためには「健康的な食生活を送り、適度な運動もする」というライフスタイルが理想ではあります。
これについては僕が言うまでもなく、「そんなことは知っている」という方が大半でしょう。ですが、実際に行っている人はさほど多くないのでは?とも思います。
特に運動の方に、高いハードルがあると感じています。実際に、定期的に運動を行っている人の割合はそれほど多くはありません。
例えば、ある調査によると、週に2回、30分間のウォーキングを運動と呼んでいいのか?僕の中では非常に疑問なのですが、それを含めても実際に運動をしている人は3割程度です。
一方、その内容はともかく、「身体に良い食生活」を意識している人たちの割合は約8割と言います。
この数字の違いは運動を習慣にする難しさと、食生活に気を遣うこと自体は割と容易なことを示しているわけです。
そもそも食事に限って言えば、健康を意識するしない以前に、誰もが何らかの食事は摂っているはずです。
要するに、食事とは万人の人生の一部でもあり、人生と切り離せないものなのです。
これは運動とは大きく異なります。運動はしなくてもひとまず生きていけますから、運動と無縁の人々が多いのは無理もありません。
でも、食事はそうはいきません。食事は長期的に摂らないと生死に関わる問題ですから。
また、食事は栄養補給だけではなく、コミュニケーションの手段にもなり得るものです。
例えば、親密になりたい人がいたとして、最初は食事に誘うのが一般的で、運動ではないはずです。
運動はそれ自体(運動全般)の好き嫌いがありますし、やらない人はもう一生しないかもしれません。
ですが、食事は特定の食べ物が苦手なことはあっても、そうでないものもあるはずで、その大部分は他の人とも共有できるものです。
そういう意味でも食事は運動よりもハードルが低いのです。
それに、運動による健康法は「自分がするかしないか」という、要するに自分だけの問題です。
しかし、食事による健康法はその限りではありません。彼氏、彼女、家族など、自分以外の人たちの健康にも影響を及ぼすものなのです。
例えば、あなたが作った料理をパートナーや子供達が食べる。その料理が食べた人たちの健康を少なからず左右するのです。もちろん、これは良くも悪くもですが。
だからこそ、最初に着手すべきなのは、「食事による健康法」の方だと僕は考えているわけです。
“食生活>料理>食材>栄養素”
巷の健康法を見渡すと、「食事による健康法」というところは同じでも、やはりいろいろなことを言う人がいます。
ですが、ある程度学ぶと分かることですが、どの健康法も次の3つの手段のいずれかに言及している点で、実はどれも似ています。
1.身体に悪い食べ物を食べない
2.身体に良い食べ物を積極的に食べる
3.サプリメント(もしくはハーブ)を摂る
「そういう側面がある」という意味においては、全くその通りです。が、敢えて1つ言わせてもらうなら、「サプリメント(もしくはハーブ)を摂る」という選択肢は無くてもいいのでは?と思います。
サプリメントも考え方は薬と一緒で、完全に否定したいわけでもないのですが、もしあなたが健康体をキープすることが一番の目的なら、サプリを長期的に摂り続けることを、僕はオススメしません。
アメリカの最近の研究では、「サプリメントは摂る必要がないどころか、摂らない方が良い」ということが明らかになっています。
1つ例を挙げましょう。
例えば、健康な人にビタミンCを1日400mg、15週間与え続けてDNAの酸化レベルを調べる。というものです。
15週間後の結果ですが、ビタミンCのサプリ摂取群は、サプリを摂らなかった群に比べ、約2倍のDNAの酸化が確認されたといいます。
また、この調査の怖いのは、サプリを15週間摂り続けた人がそれを止めた後の話です。
調査終了してから10週間後にDNAの酸化値を計測してみたところ、サプリを摂らなかった群に比べ、約3倍の値だったというのです。
もともとビタミンCは酸化を抑制する作用があるはずです。なのに、実際は逆の結果が出ています。
それにビタミンCは水溶性なので、摂り過ぎても過剰分は排泄されると言われています。ですから、少なくとも害にはならないはずです。
しかし、現実はどうやら違うようなのです。理由は本編でお話します。
こういう話をすると、「ビタミンサプリには合成されたものと天然由来のものがあって、有害なのは前者の方で、後者はビタミン以外の有効成分も含まれているので、吸収率も高く・・」と反論する人もいるかもしれません。
でも、そうだとしたら、天然由来のサプリ以上に、自然界にある野菜や果物を丸ごといただいた方が多種多様な有効成分が摂れるので、その方が良いのでは?と思うのです。それこそ天然そのものですから。
実際に天然由来のサプリメントには、本編で特に重要視している9つの栄養素のうち3~4つが全く含まれていません。
また、巷の健康法に限らず、「現代人の食生活は、栄養バランスが乱れている」ということが頻繁に言われています。これは多くの場合、そうなのだと思います。
ですから、「栄養バランスの乱れを改善するために、サプリメントを摂取しましょう」というのは一見正論のように聞こえます。
ですが、「栄養バランスが乱れたら、サプリメントを飲む」という考え方は、「病気になったら、薬を飲む」の発想に近いものを感じます。
おそらく本質はそこではありません。ひとまず、栄養バランスが乱れていなければサプリを摂る必要がないことにも気づくべきです。
「いやいや、だから現代人の一般的な食生活ではビタミンやミネラルは十分に摂れないのですよ。」と食い下がる方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、そういう意味で言うのなら、僕が本編でご紹介する食生活は、おそらく一般的なものではありません。現代人に不足しがちなビタミンやミネラルといった栄養素をサプリに頼らず、食事から十分に摂取できるわけですから。
ただし、ご安心して欲しいのですが、本編でご紹介する食生活は一般的な人にも再現可能なものです。
いずれにせよ、サプリに頼らなければ健康体をキープできないということは、これからもずっと、サプリを定期的に飲み続けなければならないことを意味します。
これはライフスタイルとしてベストな選択だとは思いません。
本編でお伝えすることを、あなたの食生活にも少しずつ取り入れていけば、薬やサプリメントに頼ることなく、そして「美味しい」という楽しみを捨てることなく、病気とは無縁の強い身体になっていきます。これこそがベストな選択だと思うのです。
話をビタミンCに戻しますが、ビタミンCには免疫力を強化する、抗ウイルス作用がある、といった働きがあります。
ですから、早い話、風邪をひきやすい方が最も必要としている栄養素ということもできます。
だとすれば、滅多に風邪をひかない強い身体には、大量のビタミンCはそもそも必要ないのでは?と思うし、少なくとも「ビタミンCだけ」を大量に摂る必要性はないはずです。
当たり前の話ですが、ビタミンCという栄養素が含まれているものはサプリメンドだけではありません。様々な植物性食材に含まれています。
果物であれば、旬の果物(秋は柿、冬は柑橘系、春はいちごなど)をそのまま食べるだけで適量のビタミンCを摂ることはできます。しかも、それらはとても美味しいものです。
野菜に関しては、調理した方が美味しくなるものが多いですが、いずれにせよ、それらにはビタミンCも、それ以外の栄養素もバランスよく含まれているわけです。だから、ビタミンCだけを摂り過ぎることもありません。
それに対し、サプリメント(合成でも天然でも)は単体でジャッジするのなら、その栄養バランスは明らかに偏っています。
しかも、サプリは味が無い、もしくは美味しくない、のどちらかです。
もちろん「食事の100%がサプリ」という人はいないでしょうし、「不足している栄養素を補う」という趣旨で、サプリを飲んでいる人たちの気持ちは分からなくはないです。
僕も以前はサプリを飲んでいましたから。毎月のサプリ代が3万を超えることもあったくらいです。
ですが、ある時ふと思ったのです。
自分の身体に、ある特定の栄養素だけが不足していると、どうして言い切れるのか?と。
もし、仮にそうだとして、その特定の栄養素の摂取量だけが多過ぎると、人体にどんな影響が出るのか?それについては知っておく必要があるなと思い、サプリの副作用についても学びました。
ただ、ここで問題になるのは、サプリが飲まれるようになったのが長い人類の歴史において、極めて最近のことだという点です。
ですから、個々のサプリメントについて、長期的な追跡調査の結果(要するに、信憑性の高いデータ)はそう多くはありません。
今という時代は、多種多様なサプリが次から次へと販売されている時代ですから、長期的な追跡調査を行うことに、そもそも意味がないのかもしれません。
いずれにせよ、サプリメントは、太古から鍛えられてきた人間の自然治癒力を退化させる。そのリスクは否定出来ません。(本編でも話しますが、実際にそれを示唆する研究は数多くあります。)
このような視点から考えると、どうしても「栄養バランスの良い食生活>一般的な食生活+サプリメント」という図式になってしまうのです。
“どうしてビーフカレーは作られたのか?”
では、栄養バランスの良い食生活とは、具体的にどういうものなのか?
これについても「続きは本編で」という話になるのですが、このレターでも押さえて欲しい重要な部分だけは話しておきます。
本編では、健康維持のためにどうバランスをとればいいのか?を、少なくとも3つの角度(栄養学、料理、ライフスタイル)からじっくり解説していきます。
例えば、栄養素ベースのバランスのとり方であれば、五大栄養素、脂肪酸、ミネラルの理想的な摂取比率など、より具体的な話をします。
料理、ライフスタイルについても同様で、それらをさらに細分化しバランスのとり方について深く踏み込んでいきます。
ですから、おそらく「バランスのとれた食生活がどんなものか?」は、理解出来るはずです。
何しろ本編は、700ページを超える大長編です。とことん詳しく(場合によっては、かなりマニアックに)書いたつもりですから、じっくりと読んでいただけたら、多くの疑問は晴れるはずです。
それはそうと、バランスのとれた食生活がどんなものか分かった。じゃあ、具体的に何をすればいいのか?という話になるわけですが、その答えは割とシンプルで、それは「最高の家庭料理を作る」ということです。
ただの「料理」ではなく、「最高の」と「家庭」という部分が実は重要なのですが、まずはなぜ「料理」を作ることが、健康維持に直結するのか?について話しておきましょう。
あまり語られることはありませんが、料理とは、表面的には栄養素の集合体である食材の集合体です。ですが、実際にはそれ以上の何かです。
例えば、僕がビーフカレーを作る時の材料は、牛肉(すね肉)、じゃがいも、玉ねぎ、人参、しめじ、にんにく、生姜、ギー、カレー粉、薄力粉、日本酒、中濃ソース、塩麹、塩、唐辛子、黒胡椒、ローリエ、白米、水。こんなところです。
なので、ビーブカレーは今挙げた食材たちの集合体と言えなくはないのですが、厳密には違います。
当然、上記の材料を全て鍋に入れればカレーが出来上がるわけではないですし、ただグツグツと煮込めばよし、という話でもないからです。
仮に全く同じ食材、分量で料理したとしても、食材の切り方、食材を投入する順番、加熱の温度や時間が異なれば、同じものではなくなります。味わいは異なり、栄養価も違ってきます。
だからこそ、料理を学ぶ必要があるのです。
例えば、ビーフカレーを作る場合、牛肉は1時間ほど煮込むと軟らかくなり、美味しくいただくことができますし、タンパク質の消化率が上がります。30分程度では、ちょっと硬すぎます。
では、例えば、牛肉を3時間ほどコトコト煮込むとどうなるか?お肉はトロけるくらい軟らかくなります。
でも、個人的にはトロける必要はないのかなーと思うわけです。むしろ、肉料理には、ある程度の「噛みごたえ」が必要だと、僕は考えているのです。
というのも、「噛む」という作業は、健康面において、実はとても重要な役割があります。
硬いものを噛むと、パロチンという唾液腺ホルモンが分泌されます。そして、このパロチンは再び口腔内で吸収され、骨や歯を丈夫にし、血管の若さを保ち、筋肉を強くする働きがあるのです。
ちなみに、今の例は牛肉を「煮込む」場合の話ですが、焼く場合、炒める場合、その料理の種類によっても、最適な加熱時間や温度はもちろん変わってきます。
いずれにしろ、料理というスキルを身につければ、上記の食材を全て摂ることができますから、栄養のバランスは非常にとりやすくなるのは確かです。
しかも、料理は「正しく作れば」ですが、基本的に美味しいのです。
「もしも、この世に料理という手段が無かったら」と想像してもらえたら、少なくとも料理の有り難みは分かるはずです。
料理という手段がなかったら、上記の食材を全て食べることは難しいでしょうから。
例えば、牛肉は生でも食べることはできますが、一応表面だけは火を通した方が安心です。要するに、調理した方がいいわけです。
人参も生でいけますが、そう多くは食べられません。
ですが、人参も火を通すか、もしくはローフードでいただくのなら、千切り器を使ってラペにするとか、何らかの料理にすることで食べやすくなります。
じゃがいも、玉ねぎ、しめじ、にんにく、生姜も同じことで、生で食べられないわけではないけど、たくさんは食べられませんし、これらの野菜は栄養学的にも生で食べない方が良い、もしくは加熱した方が良いものたちです。
だから、これらの食材たちはいつの日かビーフカレーという料理に使われるようになったのでしょう。
それはともかく、僕がここでお伝えしておきたいことは、料理(特に加熱調理)という手段がなければ、口に出来る食材の種類や量が限られてくる。つまり、栄養バランスがとりづらくなる。ということです。
念のため断っておきますが、「加熱調理=身体に良い」という話ではありません。本編でも解説しますが、加熱調理による弊害についても考慮する必要はあります。
ですから、これもバランスです。
もうブームは過ぎ去ったように感じますが、「ローフード中心の食生活が身体に良い(加熱調理された食べ物は身体に悪い)。」という健康法があります。
しかし繰り返しますが、これもバランスなのであって、ローフード食が絶対的に身体に良いわけではないのです。
食生活におけるローフードの割合が70%を超えると(対照群の摂取カロリーを同じにしても)、女性であれば月経不順、男性であれば性欲減退など、身体に不調が生じるという研究結果もあります。
ローフードのメリット、デメリットについては本編で詳しく話しますが、今ここで伝えておきたいことは、繰り返しになりますが、「加熱調理という手段を食生活に取り入れることで、栄養のバランスはとり易くなる」ということです。
この世界には加熱調理をしなければ、食べづらいものはたくさんあるし、加熱するよって栄養価が高くなる食材がたくさんあるのです。
もちろん、ローフードも食生活に取り入れるべきですが、作り方は割と簡単なので、難易度の高い「加熱調理」について、意識的に学んでおきましょう。そういう話です。
“外食、中食ではコントロールできない領域”
「料理」が栄養バランスを整える有効な手段であることが伝わっていたら、とても嬉しいのですが、「それにしても、料理は自分で作る必要があるのですか?」という疑問はあるかもしれません。
料理は、基本的に自分で作る必要があります。
でも、パートナーや家族に作ってもらうという選択肢はアリです。ですが、自分でも出来た方がいいです。パートナーや家族がいつもそばにいるとは限りませんし、時には作ってあげると喜んでくれますから。
いずれにしても、「外食や中食に頼りっきり」というのは、栄養バランスを整えるという意味においては、オススメできません。
なぜなら、外食や中食は「作る」という部分をアウトソーシングしているので、そこは基本的に自分でコントロールできないからです。
一応フォローしておくと、外食や中食でもコントロールできることはあります。
例えば、定食屋であればご飯の量を大盛りにしたり少なめにしたり、焼き肉屋であればお肉の部位や量は自由に選べますし、ラーメン屋さんであればトッピングを選ぶことができます。
また、最近では「糖質制限」というワードが注目され、ごはんをブロッコリーなどの野菜に変更できるというお弁当屋さんもあるそうです。
このように、外食や中食でも選択の余地はいくつかありますから、ひとまず糖質とタンパク質の量はコントロールできそうです。
ですが、三大栄養素の1つである脂質(油)に関しては、自分でそのバランスをコントロールする必要があります。こればかりは外食や中食に頼りっきりの食生活では難しいです。
理由はこの後話しますが、自分で料理をするにしても、脂質は三大栄養素の中でも「特に」バランスを意識して欲しいものなのです。
脂質は、糖質とタンパク質とは異なる性質を持っています。
例えば、食事から摂った糖質は、ブドウ糖や果糖といった単糖に分解されて、細胞内で身体のエネルギー源になるか、余剰分はグリコーゲンとしてストックされます。
また、タンパク質は約20種類のアミノ酸に一旦分解されて、細胞内で新たなタンパク質が作られます。
なので、基本的に糖質とタンパク質の摂取に関しては、その種類によって生体機能への影響に差異はそれほど生じません。
アミノ酸に関しては、必須アミノ酸と非必須アミノ酸という概念がありますが、ある程度健康にも配慮した食生活を送っている限り(外食や中食でも)、バランスよく摂取できるようになっています。なので、健康維持が目的なら大きな問題は起きないのです。
一方、脂質はどうかというと、その種類によって生体機能への影響が異なってきます。
例えば、脂肪酸は細胞膜などに取り込まれて細胞を構成しますが、その場合、その脂肪酸自体は変化せず、それぞれの構造や性質を保ったまま細胞膜の材料として使われます。平たく言えば、「そこにあるものが手当たり次第に使われてしまう」ということです。
だから、あなたが食べたものに含まれている脂肪酸の種類によって、あなたの細胞の性質も変わってきます。
詳しい話は本編でしますが、例えば、オメガ6脂肪酸が多過ぎる食生活を送っていると、オメガ6脂肪酸が多過ぎの細胞になってしまいます。
その結果、細胞膜が硬くなってしまい、酸素や栄養素、老廃物のやり取りに支障が出る可能性があり、その状態が長く続けば、当然、病いに冒されるリスクは高まります。
また、油に関してはその種類だけではなく、油のクオリティ(製造方法や酸化度合いなど)についても健康のためには考慮する必要があります。これも外食や中食に頼りきりだと、まずコントロールできません。
ですから、脂質酸のバランスの取り方について、そして油のクオリティについて、十分に学ぶ必要があるのですが、せっかくそれらを学んでも、実践する場がなければ「絵に描いた餅」です。
だから、「自分で料理を作りましょう」と言っているのです。
繰り返しになりますが、外食や中食には油の選択肢が用意されていませんから、油のバランスのコントロールできないのです。
それから、これも詳しいことは本編で話しますが、ミネラル、ビタミンについても外食、中食に頼り切りだと、そのバランスを整えることは困難です。
外食、中食が多い人は、特定のミネラル、ビタミンを過剰に取り込んでいる傾向があり、健康面の悪影響が懸念されています。
健康のことを想うのなら、やはり料理を「自分で作る、もしくは家族やパートナーに作ってもらう」ことがベストなのです。
そして、先にも触れましたが、目指すものは「最高の家庭料理」です。
“最高の家庭料理の作る”
もしあなたが「外食、中食に頼りっぱなし」だとしたら、まずは自分で料理を作ってみる。そして、その割合を増やすことにフォーカスするのはとても良い考えです。
しかし、それはファーストステップであって、繰り返しになりますが、目指すべきは「最高の家庭料理」です。
家庭で日常的に作られている料理のことを家庭料理と呼びますが、家庭という以上、それは自分一人のための料理ではありません。
人は面白いもので、自分だけのためよりも、「誰かのために」という条件が加わると、料理に情熱を傾けるようになります。
そして、それらは多くの場合、美味しく、栄養のバランスも良い料理になっているのです。
実際に、独身者よりも家庭を持つ人の方が長生きするという統計もあります。
この結果に家庭料理がどれだけ影響しているのか?それは分かりません。
ですが、食事のクオリティが健康を左右する要素ならば、家庭料理が何らかの影響を与えていることは間違いないはずです。
だとすれば、その家庭料理のクオリティを最高レベルに引き上げることで、健康寿命をいくらかは延ばせるのでは?と僕は考えているのです。
最高の家庭料理とは、「美味しさと栄養バランスを兼ね備えた料理」のことです。
本当に美味しい料理は家族やパートナーと共有できるものだし、栄養バランスのとれた料理は健康維持にも繋がるわけで、これは全ての人にとって好ましいことです。文字通り、最高なのです。
誤解のないように断っておきますが、別に独り身が悪いとか、そういう話ではありません。
ですが、あなたが独り身だったとしても、仮に「私、結婚できないんじゃなくて、しないんです」だったとしても、最高の家庭料理を意識すべきだとは思います。
最高の家庭料理を作るスキルは、将来的に家庭を持った時に重宝するものです。
それに、仮に生涯独身だったとしても、それらは自分の身体にとっても良いものですし、美味しいわけですから、やはりオススメなのです。
“美味しい食生活は身体に良い”
「美味しい」とは、とても不思議な概念です。
Aさんが食べて「美味しい」と感じる料理でも、Bさんが食べると「マズイ」ということがあります。
しかし、ここが重要なのですが、Aさんが食べても、Bさんが食べても美味しい料理もあります。そして、それはCさんやDさんが食べても、Zさんが食べても、やはり美味しい料理だったりします。
世の中、例外は付き物なので、万人を唸らせることは難しいのですが、それでも数多くの人が口を揃えて「美味しい」という料理は存在します。
例えば、納豆は好き嫌いが分かれる食べ物ですが、「味噌汁が嫌い」という日本人には滅多に遭遇しません。
もちろん、この世の中には信じられないくらいマズイ味噌汁を作る人もいるかもしれません。
「インスタントの味噌汁はマズイ」と言う人もいるでしょうし、味噌汁が苦手という外国人もいるでしょう。
ですが、正しい調理法を学べば、少なくとも、数多くの日本人が「美味しい」と言う味噌汁を作ることは可能です。
そして、これも重要な点ですが、美味しい料理を作ることは、ある程度ですが、再現可能なものです。
ですから、料理が苦手な人や料理の習慣がない人は特に、正しい調理方法を学んでいただき、美味しい料理を作って欲しいと思っているのです。絶対に作れますから。
必ずしも料理教室に通う必要もありません。
僕自身も料理教室には通ったことはないし、料理に関しては全て独学です。でも、みんな「美味しい」と言ってくれます。
特に僕の場合は、「健康に配慮して」という条件も加わるわけですが、それでも、いや、だからこそ余計に美味しい(と感じる)のかもしれません。
それはそうと、食事による健康法を実践するのなら、それは美味しい方がいいに決まっています。
そして、これは僕の持論なのですが、美味しくないものは、基本的に健康に良くない。こう考えています。
少なくとも長期的にはそうでしょう。美味しくないものを長期間摂り続けるのは苦痛ですし、いろいろな意味で続かないケースが殆どなのです。
例えば、薬やハーブの多くは苦くてマズイわけです。マズイものを毎日、摂り続けるのは苦痛です。
それでも、世の中にはいろんなタイプの人がいますから、「マズイ、もう一杯」ができる人もいらっしゃるでしょう。もちろん、それはそれでいいのです。
「マズイ」が我慢できてもできなくても、薬やハーブの目的が身体の不調を治すものならば、いずれは卒業の時が来るはずですし、なるべく早い段階で卒業すべきなのです。
薬やハーブは効き目が強力なので、それらを長期的に摂り続けていると、先に話した自然治癒力が弱まってしまう(鍛えられない)からです。
一方、美味しくて健康的な食事は、多くの人にとって魅力的なものです。
これは誰もが認めるでしょう。だから、長期的にも続くわけです。
そう言えば、ある人が健康に良いからという理由でブロッコリーを生でバリバリ食べていましたが、非常にマズそうでした。きっと本人も美味しいとは思っていないはずです。
そもそも、栄養学の観点からも、ブロッコリーは反栄養素が多い野菜ですので、生で食べることが健康に良いとは言えません。
それに付け加えて、美味しくないものは、他の誰かとシェアしづらいという大きなデメリットがあります。
人は1人で生きているわけではないので、家族や好きな人、友人など、自分以外の人にも健康であって欲しいと願うわけです。
例えば、あなたが学んだ健康法を家族とシェアしたい。そう思ったとしましょう。
その健康法が「美味しい」を伴うものであれば、かなりの確率でシェアできます。
先程も話したように、本当に美味しいものは、多くの人が「美味しい」と感じるものだからです。
美味しくて健康にも配慮した料理を作ってもらうことに、デメリットを感じる人は殆どいないのです。
ですが、それがマズかったら、話はそう簡単ではなくなります。
僕の健康法が美味しさを重視しているのは、こうした理由もあるからです。
それに、美味しさと健康は、実はあまりバッティングしません。慣れてくれば、両立させることは可能です。
例えば、本編で詳しく話す内容ですが、僕は料理に、市販のコンソメや鶏ガラスープなどは殆ど使いません。
それは、栄養バランスが悪いという理由もあるのですが、一番の理由はあまり美味しくないからです。
市販のコンソメや鶏ガラスープを料理に入れると、確かに旨味を感じることはできます。でも、後味がよくありません。
しかも、それらは特定の食品添加物が多く含まれている傾向があり、栄養バランスがよくありません。
また、食品添加物に頼らない料理、つまりナチュラルフード主体の料理は気分的にも良いものです。
そうは言っても、人によっては、コンソメ、鶏ガラスープ、それらを含む加工食品の味に違和感がなく、むしろ「美味い!」と感じる方もいるかもしれません。
ですが、本編で話す「味覚のリセット」を行ったり、ナチュラルフード主体の食生活を送るようになると、その味覚は変わってきます。
今まで美味しいと感じていたものが、美味しいと感じなくなります。逆に、今まで苦手だったものが美味しく感じるようになったりもします。
そうこうしているうちに、美味しいものと健康に良いものが大部分リンクしてきますし、ご自分の食事の適量も分かってきます。
これが、食生活の本来あるべき姿だと思うのです。
特別、難しいことはありません。「健康体をキープするためには、最高の家庭料理を作りましょう」という、とてもシンプルな話なのですから。
お伝えしたかったことが伝わっていると良いのですが、僕の考える「食事による健康法」の大枠はこんなところです。
そして、さらに深く踏み込んだ内容を順序立てて、分かりやすくまとめたものが、新教材の本編になります。
ここで、ほんの一部ではありますが、本編で話すトピックをご紹介しておきます。
☑鍛える健康法という考え方
ウェイトトレーニングで筋肉が鍛えられるように、消化器官をはじめとする内蔵、免疫細胞、そしてミトコンドリアに至るまで、人の身体はもちろん限度はありますが、ほぼ全て鍛えることが可能です。にもかかわらず、巷の健康法の多くはこの「鍛える」という概念がスルーされ、「○○は身体に良い悪い」という話に終始しています。
鍛える健康法(今回は食事に特化した話になりますが)を学べば、「絶対的に身体に良いもの悪いものなんて無い」ということに気付くはずですし、年がら年中、最高の家庭料理を作る必要がないことも腑に落ちると思います。
☑適度なストレスとそのケアの関係
もし、健康維持のための黄金律があるとするならば、僕は「適度なストレスをかけ、そのケアをしっかり行うこと」だと考えています。
ご存知の方も多いかもしれませんが、ストレス(精神的、肉体的なものを含めて)が全くない状態は、健康に良くないのです。少なくとも長期的にはそうです。同時に、過度なストレスも身体に良くありません。
いずれにせよ、ストレッサーは外的なものなのでコントロールしづらく、そのケアが重要な役割を担います。この考え方については、具体例を交えながら解説していきます。
☑食材のクオリティについて
食材にはクオリティがありますから、それらについてじっくりと解説いたします。レモン1つとっても、栄養価が高いものとそうでないものがあるし、それらは当然風味も違います。これは動物性食材も同じことで、クオリティの高い牛肉とそうでないものがあるわけです。ただ、動物性食材の場合は、栄養価の違いは顕著です。
概してクオリティの高い食材は、ワインほどじゃないにしろお値段も高い、もしくは品薄であることが多いですが、それらがどういうものなのかは知っておくべきです。そして「できる範囲」で構いませんから、それらをあなたの食生活にも取り入れていって欲しいなと考えています。
☑食生活における「個人差」の問題
仮にですが、AさんとBさんが全く同じ食生活を送ったとします。例えば2週間後、Aさんは体重が3キロ増え、Bさんは体重が2キロ減りました。これを「個人差」と呼びます。
元メジャーリーガーの松井はオフになると体重が増え、イチローはオフになると体重が減ると言います。これは、おそらくオフの食生活が違うので当然ではあります。ですが、その食生活を決める「食欲」に遺伝的な要素が大きく関わっていることはあまり知られていません。
このように食欲を始め、食べる量、食べ物の好き嫌い、各栄養素の消化、吸収、代謝の能力などは、人それぞれ違うのです。本編ではそれらの個人差に言及しながら、話を展開していきます。
☑五大栄養素とプラスα栄養素の役割
栄養のバランス云々を語らうなら、少なくとも、というか最低限、五大栄養素と、本編で話す4つのプラスα栄養素が体内でどんな働きをしているのか、それくらいは知っておくべきです。
例えば、五大栄養素の1つ、タンパク質はご存知の通り筋肉の素になるわけですが、タンパク質の役割は他にもあります。ある時は糖質同様、身体のエネルギー源にもなります。また、タンパク質は体内でアミノ酸に分解されるのですが、そのアミノ酸同士が結合して酵素やホルモンを構成し、体調をコントロールしてくれます。こうした基本的な知識から、栄養学の基礎を固めていきましょう。
☑食べ物の旅
多くの人たちは「今日は何を食べよっかなー」にはとても興味があるのですが、「食べたものがどうなっていくのか?」にとても興味がある、という人はどうやら少数派のようです。
ですが、「食べ物がどのように消化され、吸収され、代謝されていくのか」を理解しておかないと、各種栄養素の役割を学ぶ意味が薄れてしまいます。栄養素は消化されなければ、吸収されなければ、その役割は果たせないからです。
☑反栄養素(アンチニュートリエント)とは何なのか?
これは比較的最近になって取り上げられるようになったワードですが、「反栄養素」とは簡単に言うと、栄養素の消化、吸収を阻害したり、身体の免疫、解毒機能を著しく下げる物質の総称です。
誤解のないに言っておくと、反栄養素はある特定の野菜だけに含まれているものではありません。基本的には全ての野菜に含まれていますし、野菜を食べて生きている動物にも含まれているものです。
しかし、これらが大きな問題にならないのは、反栄養素の含有量がそもそも少ない、もしくは加熱や浸水よって無毒化できるためです。ただし、一般的な調理法では無毒化できない反栄養素もあります。なので、反栄養素の種類とその無毒化の方法は知っておいた方が良いでしょう。
さらに踏み込んだ話をすると、反栄養素は全てを無毒化した方がいいという話でもありません。今は複雑に感じるかもしれませんが、ご納得頂けるようにじっくり解説いたします。
☑食品添加物の本当の問題点
「食品添加物は化学物質である→化学物質は体に悪そうだ→よって、食品添加物は体に悪そうだ」と考えている方がいらっしゃるかもしれませんが、それが人工的に作られたものであろうと、自然界のものであろうと、全ての物質は「スイヘリーベ、ボクノフネ・・」でお馴染みの約90種類の元素から構成されています。
要するに、同じ化学式で表記できる物質であれば、人工的に生成された化学物質と自然界の物質との間には、基本的に優劣はないのです。これを踏まえた上で、食品添加物の本当の問題点について話そうと思います。
☑加熱調理の恩恵と弊害
このレターでも少し触れましたが、加熱調理の恩恵は一言で言うと「食事のバラエティを豊かにしてくれる」ことです。食事のバラエティが豊かになれば、栄養のバランスが偏るリスクは下がります。
ですが、一見バラエティ豊かな食生活に見えても、実は偏りが生じているケースがあります。そして、その多くは加熱調理の弊害を知らないために起こることです。
タンパク質の熱変性の話はとにかく、AGEs(終末糖化産物)や過酸化脂質の摂り過ぎは身体に良くありません。加熱調理のメリット、デメリットをここでしっかりとお伝えしておきます。
☑よく分かる脂肪酸の分類法
「オメガ3脂肪酸は身体に良い」、「中鎖脂肪酸は身体に良い」。これはバランスの乱れを整えるという意味では間違いではありませんが、オメガ3にしろ、中鎖脂肪酸にしろ、摂り過ぎは良くありません。オメガ3脂肪酸はその絶対量というよりもオメガ6脂肪酸とのバランスが大切なのですし、そもそも中鎖脂肪酸は必須脂肪酸ではありません。
「・・・何を言っているのか、さっぱり分かりません。」という方がいらっしゃったら、ご安心ください。「よく分かる脂肪酸の分類法」をお教えします。4つのポイントを押さえるだけですから、意外と簡単に理解できるとは思います。
☑トランス脂肪酸は本当に悪者なのか?
健康意識の高い方々は「トランス脂肪酸=悪者」という認識をお持ちだと思いますし、トランス脂肪酸の摂り過ぎが健康を害する要因であることは、いくつもの研究で明らかになっています。
「トランス脂肪酸はその構造がプラスチックにそっくりで、プラモデルを食べているようなもの」とか、「トランス脂肪酸は一切口にしてはいけない」と言われることもあります。ですが、ここまでくると言い過ぎです。
誤解している方が多いのですが、トランス脂肪酸にはたくさんの種類があります。本編ではそれを踏まえた上で、「なるべく避けた方が良いもの」を挙げ、その対処方法をお伝えします。
というのも、トランス脂肪酸を全てカットしようとすると(そもそもいろいろな意味で無理なのですが)、弊害も生じます。つまり「トランス脂肪酸は一切口にしてはいけない」という食生活は、実はあまり健全ではないのです。
☑ローカーボ食生活の是非
ローカーボ(糖質制限)食生活とは、炭水化物の摂取量を大幅にカットし、糖質の代わりにタンパク質、脂質をエネルギー源とする食生活のことです。
「糖質をカットすれば脂肪が燃焼される。よって、痩せる。」これは確かなことで、糖質の摂取量を抑えれば抑えるほど(つまりゼロに近づけるほど)、その効果はてきめんです。
ただし、「ローカーボな食生活を送ることは、健康にも良いことなのか?」は、また別問題です。そのあたり、じっくりお話しします。
☑野菜中心か?それとも肉食がいいのか?
「野菜中心の食生活=ヘルシー」というイメージは、もはや共通認識ですし、それを裏付ける研究結果も数多くあります。それは野菜にしか含まれていない有効成分によるものかもしれませんし、多くの家畜たちに含まれている有害物質(飼料の残留農薬、ホルモン剤、抗生物質など)を排除できるからかもしれません。
そうかと言って、肉食が身体に悪いとは思いません。むしろ多くの人は、健康維持のためにも肉、もしくは魚をある程度は摂った方が良いと、僕は考えています。
一応断っておきますが、ヴィーガンでも健康維持に必要な栄養素はバランスよく摂ることは可能です。しかし、難易度が上がります。一般人にはあまり向かないのです。
いずれにしろ菜食、肉食には、それぞれメリット、デメリットがありますから、それらは押さえておくべきでしょう。「肉は食べたいけど、健康のために我慢しなきゃ・・」といったストレスは減ると思いますので。
☑食にまつわるバランス思考法
現代人の食事は栄養バランスが偏っていると言われますが、その多くは似たような傾向があります。例えば三大栄養素に注目すると、相対的にですがタンパク質が不足しています。五大栄養素に注目すると、ビタミンとミネラルが全体的に不足しています。ミネラルに注目するとナトリウムとカルシウムは相対的に多過ぎです。
本編ではこれらの原因を明らかにした上で、栄養素レベルの理想的なバランスについてはもちろんのこと、料理レベルでの栄養バランスのとり方についてもお伝えします。僕ら人間は、基本的に栄養素を料理から摂取しています。なので、料理レベルでのバランスのとり方も学ぶに越したことはないのです。
☑どうして「牛乳は身体に悪い」と言われているのか?
20代の頃の話ですが、初めて読んだ健康本に「牛乳は飲むな!」と書いてあり、「まじかよー」とショックを受けた記憶があります。でも、実際に試したところ、「確かに牛乳は飲まない方がいいのかも」と思うようになりました。体調が良くなったのです。風邪を殆ど引かなくなりましたし、お腹を壊すこともなくなりました。
あまり知られていませんが、厚生労働省も「牛乳やヨーグルトなどの乳製品を多く摂取すると、前立腺がんになるリスクが上がる」と公表しています。様々な研究結果を見ると、「牛乳は身体に良くない」のは間違いなさそうです。
ただし、その根拠を探ってみると分かることですが、「全ての牛乳が身体に悪いわけではない」ということも理解しておくべきです。この牛乳の問題は、他の動物性食材、および加工食品にも当てはまる話なので、じっくりと解説させていただきます。
☑ココナッツオイル最強ではない説
巷の健康法では、「ココナッツオイルは酸化しづらいから、加熱調理に向く」と言われています。僕も以前はそう思っていました。しかし、これは半分正しくて半分間違いです。確かにある条件下ではココナッツオイルは酸化しづらいと言えるのですが、残念ながら一般的な加熱調理の多くは、その条件に当てはまりません。
では、高温の加熱調理に最も向く油とは、一体何なのか?ココナッツオイルにはどんなメリット、デメリットがあって、どんな料理に使うと良いのか?などについて、詳しく話したいと思います。
☑「本物の塩」とは?
日本で塩が料理に使われるようになったのは、縄文時代の終わり頃と言われています(と言っても、当時の塩は海藻を干したものですが)。時は流れ、8世紀頃からは塩田を利用した製造が始まり、白い塩が誕生します。それから千年以上、先人たちは美味しい塩を求めて、その製造方法を改良し続けてきました。
ここまでは良かったのですが、明治時代以降は工業用の塩の需要が高まり、従来の塩田製塩法は廃止されます。1972年の塩業近代化臨時措置法が施行されたためです。
しかし、時代は変わります。2002年の塩の販売自由化から少し時間は要しましたが、美味しくてミネラルバランスの良い「本物の塩」がようやく手に入る時代が戻って来たのです。にもかかわらず、今日スーパーで売られている塩は明治時代と変わっていません。
塩は料理の味、健康に大きな影響を与えるもので、最高の家庭料理の一部です。「本物の塩」とは一体なんなのか?じっくりと解説いたします。
☑ハイクオリティな食材たちとその選び方
食材の何をもって、そのクオリティの高低が決まるのか?一言で言うと、「美味しさと健康面の影響」です。
「美味しいかそうでないか」は食べた瞬間に分かるものですから、これに関しては食材の良し悪しの区別は比較的簡単です。
ですが、健康面の影響になると話は変わってきます。食材の種類やクオリティによっては、自分の身体に合う合わない(要するに、健康に良い悪い)がすぐに分かる場合もあります。しかし、全てではありません。特に長期的な影響となると自覚しづらいものです。
だからこそ、食材のクオリティの違いが、健康面にどのような影響を与えるのか?これについては、本書のような健康法から学んでおく必要があるのです。
クオリティの高い食材とはどんなものなのか?そして、その具体的な選び方についてもお教えします。
☑プロセスフード(加工食品)の賢い選択基準選
健全な食生活を送るため、「プロセスフードはなるべく摂らない」と意識するのは基本的には良いことですが、健全な食生活を送るためにはある程度、プロセスフードに頼る必要もあります。そもそも、油や各種調味料はプロセスフードですから、これらがないと作れる料理は限られてきます。
また、ベーコンやソーセージ、梅干しやキムチといった発酵食品もプロセスフードです。ちなみに、僕はこれらを調味料代わりに使うことが多いです。例えばベーコンやウインナーなどの加工肉を、野菜中心の料理に適量加えると、「旨味」が加わります。肉料理に梅干しを加えると「酸味」が追加され、さっぱりとした味わいになります。このようにプロセスフードを適量使うことによって、バラエティ豊かな料理を「美味しく」いただくことができます。
ただし、プロセスフードにも当然、クオリティの高低の問題はあります。なので、本編では加工肉、梅干しはもちろんのこと、各種調味料、5種類の油の具体的な選び方についても解説いたします。
☑美味しい料理の条件
「それが健康的であるか?」はひとまず脇に置き、料理の「美味しさ」を追求してみる。こうした試みは家庭料理においても、決して悪いことではありません。というのも「美味しい料理を食べる」という行為は、それだけでストレスの解消になり得ることで、結果的に健康に良い一面もあるからです。
では、美味しい料理とはどんなものなのか?それは本編でじっくり解説しますが、ポイントを先に話しておくと、料理の美味しさとは基本的に、味、香り、食感、見た目、音、これら5つのハーモニーによって決まります。ですから、美味しい料理とは「五感全てを楽しませてくれる料理」と言い換えることもできます。
そして、食生活における五感の役割が理解できるようになると、料理の腕は格段に上がります。料理の味、香り、食感、見た目、音はそれぞれ独立した要素なのではなく、多くの場合「共にある」ものだからです。
☑「美味しさ」と「健康」を考慮した5つの調理法
冒頭に「美味しい」と「健康」は両立できる。と書きましたが、それを可能にする術が、本編でご紹介する5つの調理法です。
もしかしたら「料理は難しい」と考えている方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはありません。少なくとも、覚えることはそう多くはありません。基本的には、ローフード食の作り方と4つの加熱調理法をある程度、マスターすればいい。ただそれだけなのです。そのための要所は、本編にてしっかりとお伝えします。
☑最高の調理器具たち
調理器具に関しては、是非じっくり吟味して「最高のもの」を選んで欲しいと個人的には思っています。もちろん物によりますが、調理器具は一度買えば、長期間(物によっては一生)使えるものだからです。お値段が多少高く感じたとしても、そのメリットは長期的に続くわけですから、無理して買う価値はあるのです。
本編では、調理器具を揃える時の判断材料にしていただけたらと思い、僕が実際に使っている調理器具たちをご紹介しておきます。
☑使えるスーパーフード
スーパーフードとは、一般的な食物よりビタミン、ミネラル、アミノ酸といった必須栄養素、そしてフィトケミカルや他の有効成分を数多く含む食物(主に植物性)の総称のことですが、それらは実際の食生活において使えなければ意味がありません。
ここでいう「使える」とは、英語の「available(すぐに利用できる、入手可能な)」に意味的には近いのですが、本編ではさらに「美味しい」という条件を追加し、「使えるスーパーフード」を厳選しました。気になるものがあれば、是非あなたの食生活にも取り入れてもらえたらなと思っています。
☑「食べない」という選択肢
あなたの人生に「食べない」という選択肢を追加すると、実はあなたが「美味しい」と感じる瞬間が増えます。
これは「食事に何らかの制限、つまり食べる回数や量を減らすことで、食事の有り難みが再認識できる」という気持ちの問題もあるでしょう。ですが、僕が本編でお伝えしたい「食べないことの利点」もっと深い話で、人の本能にも関わる話です。
長期的な少食が身体に良いかどうか?になると、また別の話なのですが、定期的に「食べない」期間を作ってあげることは、健康管理の一環だと考えています。
☑ファスティングメソッドの全貌
ファスティングとは、いわゆる断食のことです。よく言われているメリットはデトックスですが、実はそれ以外にも「味覚のリセット」という大きなメリットがあります。なので、まずは「人生で一度だけ」という気持ちでチャレンジして欲しいと思っています。
ただし、ファスティングは万人にオススメできるものではありませんし、正しく行わないと逆効果ということもあります。なので、「正しく」行うことが極めて重要なのですが、ファスティングを行えば、自然治癒力が高まり、病気が治った、体調が良くなるというケースはいくらでもあります。アトピー、円形脱毛症や、ガンですら、ファスティングで完治することが実際にあるのです。
ちなみに、僕が推奨しているファスティングはジュースファスティングというもので、ファスティング用のドリンク、水は飲んでOKです。
ファスティング用ドリンクの作り方、アクションプラン、ファスティングを成功させるためのポイントなど、じっくり解説させていただきます。
☑健康体をキープするための10の食習慣
本編の内容は(このレターもそうですが)、なるべく多くの人に参考になる話ができたらなと思い、書いてきたつもりです。そのため抽象的な話が多いとは思います。ですが、より具体的な話を聞きたい方もいらっしゃると思いますので、実際に僕が行っている10の食習慣をシェアしておきます。
断っておきますが、人間は生きている以上、体質は変化するものですし、考えも変わります。それと同じように習慣も長期的には変わるものです。毎日行っている習慣も、それは今の習慣に過ぎません。
例えば10年後、今行っている習慣は淘汰され、別の新しい習慣に変わっているかもしれませんが、それで良いのです。なので、あまり肩に力を入れて「頑張る」必要もありません。
ただし、そう言い切ってしまうと、世の中にある数々の誘惑たちに流されてしまい、自分にとって良い習慣を作れなくなる可能性が高いので、やはりある程度は意識して(頑張って)、「自分にとって最高の習慣」を作る必要があると思うわけです。
☑最高の三食+α
これは最も具体的な話かもしれませんが、「朝は何を食べて、昼はどんなものを食べていて・・」ということについても話しておきます。
おそらく、「料理をする時間がない」という方も多いでしょう。それは分かります。僕も多くの方々と一緒で、やはり料理以外の時間も大切ですから。
ちなみに、僕は本格的に料理をするのは夕食だけで、朝は飲み物のみ、昼食は前日に作った料理の残り物をベースにした超簡単な料理です。もちろん、これらの簡単メニューもご紹介しますから、時間がない方も参考になるはずです。
それから、会社勤めの方も多いでしょうから、お弁当のアイデアもご紹介します。弁当男子(もちろん女子でもいいですが)は是非、参考にして欲しいなと思っています。
☑厳選レシピ100
美味しく、健康的な食事のバラエティを増やすために、100のレシピをご紹介します。一般的な料理本に比べたら情報量は多いと思います(というか、日本の料理本の多くは情報量が少な過ぎ)。料理初心者にも理解できるように、分かりやすく書いたつもりです。
和食、イタリアン、中華の定番料理はもちろんのこと、スーパーフードを取り入れたオリジナルレシピや、集中力を高める朝のドリンク、毎日のサラダのドレッシング、子供が大好きなプリンまで、どれも「美味しさ」と「健康」を兼ね備えたものばかりです。
一部ではありますが、ひとまず、こんなところでしょうか。
これらをPDFファイル(全765ページ)にまとめたものが、今まで本編と呼んでいたものです。
タイトルは、『美味しい健康の書』とさせていただきました。
価格は2万円(税込み)になります。お支払い方法はクレジットカード(ペイパル)か、銀行振り込みからお選びください。
※ご入金の確認が出来次第(遅くとも3日以内には)、ご登録のメールアドレスに教材のダウンロードURLをお送りします。尚、今回は、冊子版はございません。
“キッチンに立てば、人生は「さらに」変わる”
それでは、そろそろまとめに入ろうと思いますが、このトピックは触れておきたいなーと思っていましたので、最後に話しておきます。
「なぜ女性は男性よりも寿命が長いのか?」についてです。
これには様々な説があるのですが、例えば、
・女性ホルモン(エストロゲン)の働きが長寿に関係している
・女性は男性に比べて少食だから(女性は男性よりも基礎代謝が低いから、食事の量が少なくて済む)
・女性は男性に比べて体脂肪率が高いから(長生きする人たちは、小太りの傾向がある)
・女性は男性に比べてよく喋るから(ストレスが溜まりづらい)
・女性は男性にくらべてくよくよしないから(女性は未来動物、男性は過去動物と言われているように)
・昔からそうだから(要するに、遺伝的な要因)
などです。
その中でも、興味深い説があるのですが、それは、
女性の寿命が男性よりも長いのは、「料理をするか、しないか」その差である。
というものです。
一般的に家族というコミュニティにおいて、主に料理をするのは女性です。これは日本でもそうですし、一部例外はあるのですが、世界を見渡しても大半の国がそうです。
そして、女性の平均寿命が男性よりも長いのも、世界中で言えることです。
だとすれば、「料理をするかしないか」が長寿の要因だとする仮説は、少なくとも的外れではないでしょう。
料理をするのは女性ということは、どんな料理を作るか?その決定権も女性であることが多いのです。買い出しも大抵は女性が行くでしょうから。
そして、料理をする女性たちは意識する、しないに関わらず、自分の体調に合わせて料理を作る傾向があるらしいのです。
僕自身、料理をするので分かりますが、これはおそらく本当のことです。
塩の量にしても、最終的には自分の好みやフィーリング(体調が深く関わっている)で決めます。油の量もそうだし、食材も自分が食べたいものを基本的には選びます。
これは別に悪意があるわけではありません。
「自分が美味しいと思うものは、他の人も美味しいだろう」そう思ってのことです。でも、必ずしもそうとは限りませんし、栄養素レベルの話をすれば、自分に最適な栄養バランスが、他の人にとっても最適であるはずがありません。
時には、家族やパートナーのリクエストに応えることもあるでしょう。それにしても、どんな味付けにするのか?付け合せは何にするか?どれくらいの量を作るか?などの最終的な決定権は、やはり料理を作る人にあるのです。
ちなみに、これは日本の話なのですが、100歳以上の長寿者の食生活をリサーチしたところ、その大半が自分で料理を作っています。そして、その9割は女性だそうです。
だから、最後にこれだけ、言わせてください。
本編をじっくり読み、キッチンに立ってみてください。そして、自分で料理を作ってみてください。特に男性陣。
これは、すでに料理の習慣が身についている方に改めて言うことではないですが、それでも、本編は是非とも読んでいただけたらと思っています。今まで「知らなかったこと」が少なからず書かれていると思いますから。
また、仮にあなたが料理をする予定が全くなかったとしても、健康維持のための、美味しい料理を作るための知識は増えるはずですから。
「知っているだけで実行しないのは、知らないに等しい。」
誰の言葉か分かりませんが、というか、同じようなことをいろいろな人が言っている気がします。
ですが、僕はそうは思いません。何かを知っていることは、それだけでも価値があります。
そもそも、何も知らなければ、分かることも、できるようにもなりません。実行も継続もスタートは「知ること」です。
知識とは、ししおどしの「水」のようなものだと思っていて、竹筒に水を入れてもすぐには傾きません。竹筒は、一定量の水が貯まるまで動かないのです。
それと同じです。つまり、一定量の知識がストックされて初めて、人は実行に移すことができる。おそらく、これが普通なのです。
なので、本書をじっくり読み知識を蓄えれば、自分で料理をやってみようという気持ちになり、自然に実行できるようになるかもしれません。少なくともその可能性は高まります。
そして、実際に料理をしてみれば、あなたの人生はさらに変わると思います。
自分で料理をすることには、長期的には健康維持に繋がるとか、寿命が伸びるとか、そういう話もあるのですが、「美味しい」という素晴らしいリターンもあります。
しかも、この「美味しい」というリターンは短期的に得られるものだし、それは何度も、何度も味わえるものですから、そういう意味では長期的なリターンでもあるわけで、とても素晴らしいことなのです。
それに、美味しい料理を作るという健康法は、巷の健康法とはパラダイムが違います。我慢の種類が違うのです。
「○○は摂るな」と言われ、食べたいものを我慢することもなければ、「○○を積極的に摂れ」と言われ、美味しくないけど我慢して食べることもありません。味のしないサプリメントを無理して飲む必要もないのです。
一方、美味しい料理を作るという健康法は、料理をするという手間は必ず生じます。なので、最初は「やりたくないけどやる」という意味での我慢は必要です。
しかし、料理はスキルなので、最初は辛くても続けていると、スキルとは上達するものです。料理のスキルが上がるにつれて、料理することが徐々に楽しくなってきます。
要するに、「我慢に意味がある」と思えるものなのです。
それにしても、「作るのが面倒だなー」とか「時間がない」という声はあって当然です。確かに、料理を作ることは何もしないよりは面倒ではありますし、料理を作るための時間は確実に必要です。
ですが、多くの人たちは「料理を作るための時間」が、たぶんあります。
というのも、料理をしない人が料理をしないことによって捻出した時間は何に使われていると思いますか?
これもアメリカの研究で分かったことなのですが、料理をしない人の多くは料理をしない時間を使って「食べている」のです。
確かに料理をする人としない人では、後者の方が食べる時間は長いでしょう。
料理をしない人が、誰かが料理を作っている間に、テレビを見ながらサラミをつまみ、チューハイを飲んでいるシーンが目に浮かびます。
実際に、自分で料理をする時間が長ければ長いほど、肥満のリスクが減ることも分かっています。
健康体をキープできるかどうかの分岐点は、「料理をするか、しないか」、ここにあるのかもしれないのです。
長々と話してきましたが、要するに僕が言いたいことは、まずは健康維持のためのファーストステップとして、最高の家庭料理を作るための知識を学んでみませんか?ということです。
そして、そのための教材が「美味しい健康の書」ですから、ご興味が湧いた方は是非とも学んでいただけたらと思っています。
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最後まで読んできただき、ありがとうございました。