一般的に「食べ合わせ」とは、良くない意味で使われることが多いです。
例えば、天ぷらとスイカを一緒に食べるとお腹を下すとか。
有名な例だと、ドリアンとビールは一緒に食べると、最悪死に至るとか。そんな話もあります。
他にも鰻と梅干し、カニと柿、鮎とごぼう、タコとアワビ、河豚と青菜など。
昔から一緒に食べない方がいい食材たち、つまり食べ合わせが良くない組み合わせは、多かれ少なかれあるようです。
ただし、これらは医学的な根拠が不十分なものも多いです。
例えば、おこわと河豚であれば、高級食材の食べ過ぎないようにという、戒め的なものです。
あとは、筍と黒砂糖なんかも、高級食材の組み合わせとして、昔から避けられているもので、別に医学的にどうこうという話ではありません。
一方で、栄養学的にも理に適った食材の組み合わせもあります。
例えば、焼き魚と大根おろしという組み合わせは、昔から今も変わらないわけです。
栄養学的に説明すると、大根おろしに含まれているタンパク質分解酵素が、魚のタンパク質を分解してくれたり、大根おろしに含まれるビタミンCが、焼き魚の過酸化脂質の害を和らげてくれる働きがあります。
もう少し踏み込んで言うと、大根はすりおろすことで、その細胞壁を壊すことができ、結果として消化酵素が活性化すると言われています。
なので、この話は、大根というよりも「大根おろし」ということに意味があります。
そして何よりも、この組み合わせは食べていても美味しいものです。
この身体に良い組み合わせは、何も食材に限った話ではありません。
これは「美味しい健康法」において、大切な考え方でもあるのですが、僕らが普段、食べているものは食材というより、それらを組み合わせた「料理」です。
そして、その料理のバラエティが長期的な食生活を作ります。
巷では、「○○という食材は身体に良い、悪い」という議論がされるわけですが、実はそこはあまり重要ではありません。
それよりも、「食材をどう組み合わせれば、栄養バランスが良くなるか?」これが重要なのであって、そのためのアイデアをこのサイトでお伝えできたらと、僕は考えているのです。
例えば、栄養のバランスのことを考えるのであれば、白米よりは玄米の方が栄養は高いといことは、周知の事実です。
ですが、これは食材だけを見た場合の話であって、料理という観点で言えば、必ずしもそうとは限りません。
例えば、白米には玄米に含まれているビタミンB1が殆ど含まれていません。
ですが、白いご飯と一緒に豚の生姜焼きを食べたらどうでしょう。
豚肉にはビタミンB1が豊富に含まれているわけで、当然、豚の生姜焼きにもビタミンB1は含まれています。
また、白米は玄米に比べて食物繊維が不足しています。
では、キャベツの千切りを用意したらどうでしょう。食物繊維の不足は解消されるはずです。
これは別に玄米が良くないという話がしたいわけではありません。
何が言いたいのかというと、
食事による栄養バランスの整え方は1つではない。
ということです。
僕らは食材を単体で食べているわけではなく、それらの集合体である料理を食べているのであって、その組み合わせを考えることも重要だと思うのです。
そして、料理レベルの健康法の利点は、「美味しい」という楽しみを捨てずに済むことです。
というのも、料理とは、基本的に食材を美味しくいただく手段なのです。
食材を料理して不味くなってしまうのであれば、料理はしない方がいいわけですから。
あとは、「それが健康的かどうか?」という問題は残るのですが、それについてもこのサイトで言及していければと思っています。