意外と知らないAGEsの利点

AGEsとは、終末糖化産物(Advanced Glycation End Products)の略ですが、簡単に言うと、タンパク質と糖が加熱されてできた物質のことで、強い毒性を持っていると言われています。

具体的には、老化を進める原因であるとか、AGEsが血管に蓄積すると心筋梗塞、脳梗塞に、目に蓄積すると白内障になると言われたりもします。

そんなこともあり、「AGEs=悪者」と考えている方もいらっしゃるでしょう。

確かにAGEsが身体に良くないという報告は多数あります。

 

しかし、だからといってAGEsを悪者扱いし、全てを排除しようとするのは、あまり良い考えでありません。

なぜなら、AGEsにはデメリットだけではなく、メリットもあるからです。

例えば、黒酢はヘルシー食材としてしばし注目されますが、一般的な米酢に比べて栄養価は高いです。

疲労回復効果があるとされているクエン酸は米酢の10倍、アミノ酸の含有量も米酢の10倍以上です。

ですが、黒酢は黒いから「黒酢」と呼ばれているわけですが、あの「黒色」の正体は、実はAGEsです。

どういうことかと言うと、黒酢の原材料は玄米なのですが、玄米に含まれているタンパク質と糖が加熱されて、AGEsは作られます。

一般的な米酢が加熱のプロセスで黒くならないのは、米酢はタンパク質を含んでいない白米が原料だからです。

 

つまり、もうお分かりだとは思いますが、玄米が白米よりも栄養価が高いように、黒酢の方が米酢よりも栄養価が高いのです。

それと、同時に黒酢には米酢に殆ど含まれていないAGEsも含んでいるわけです。

ですから、もしAGEsを悪者扱いし、全てを排除しようとするのなら、黒酢のような栄養価の高い食材、食品を摂ることができなくなります。

醤油やソースが黒いのも、味噌が茶色いのも、コーヒーが黒いのも全て、AGEsです。なので、これらを含む料理を食べることができなくなるのです。

よって、AGEsを完全に排除するのなら、食生活がだいぶ制限されてしまいます。

 

ここで忘れていけないことがあるのですが、それは、「AGEsは摂っても良い」という食生活を送る時のメリットについてです。

繰り返しになりますが、AGEsは身体に良くないであろう研究はあります。

その一方で、「AGEsは摂っても良い」という食生活には、メリットもあるのです。

例えば、黒酢のように栄養価の高い食材、食品を摂ることができることもそうです。

また、「AGEsは摂っても良い」という食生活を送るようになると、食事の選択肢は増えます。

そして、食事の選択肢が増えるということは、多くの場合、栄養バランスはとりやすくなります。

様々な食材を様々な調理法でいただけるようになるからです。

 

あと、これは意外と知らない方が多いと思いますが、AGEsの中には抗酸化作用があると言われている物質もあります。

例えば、メラノイジンという物質です。

このメラノイジンには優れた抗酸化作用があり、脂質の酸化を防ぐというのです。また、腸内環境を整え、便秘の予防にも効果的と言われています。

 

「えっ、AGEsって、実は身体に良いの?」

そう思うかもしれませんが、ポイントは「量」です。

AGEsの摂り過ぎは、やはり健康に良くはありません。

ですが、AGEs一切排除する食生活も、身体に良くありません。少なくとも、そのメリットを享受できていないはずですから、ベストではないのです。

 

それに、僕が「AGEsは摂っても良い」という食生活をオススメしているのは、「AGEsは摂っても良い」という食生活には、健康面以外にもメリットがあるからです。

それはシンプルに、「AGEsを含む食事は美味しい」ということです。

豚の生姜焼きは焼き色がしっかり付いている方が美味しいし、石焼ビビンバもちょっと焦げたあの「おこげ」が美味しいのです。

たこ焼き、お好み焼きにはソースを割とたっぷりかけたいし、チャーハンの仕上げに醤油を垂らして香ばしさを出すと、やはり美味しいのです。

 

もちろん、美味しいものばかり食べ続けて、身体を壊す方もいらっしゃるでしょう。

でも、食事を「美味しい」と感じることが、身体に良い場合もあります。

それは、ストレス解消という意味もあるし、もっとダイレクトに身体に良いという意味もあります。

これについては、また別の機会で話せたらと思いますが、ある1つの断片的な情報だけを盲信して「美味しい」という感覚を無視してしまうのは、とても勿体無いことだなーと、いつも思います。

ひとまず、今日は「AGEsは、悪い面ばかりではありませんよ。」ということを、お伝えしておきます。

 

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