グルテンは本当に身体に悪いのか?

「グルテンは体に悪いもの」という認識をお持ちの方も多いでしょう。

実際にグルテンフリーの食生活を実践されている方もいると思うし、これからやってみようと考えている方もいらっしゃるかもしれません。

一方、グルテンって本当に体に悪いの?と疑問を感じている方も多いかもしれません。

「俺、普通にグルテン摂ってるけど、健康だけど・・」という方も多いでしょうし。

では、実際のところ、どうなのでしょう。今日はこのグルテンについて考察したいと思います。

 

まず、グルテンが身体にどんな影響があるのかを考える前に、伝えておきたいことがあるのですが、食生活からグルテンを排除しようとすると結構大変です。

例えば、パン、パスタ、ピザはもちろんのこと、餃子も小龍包も食べることができなくなります。

なので、イタリアンや飲茶はだいぶ制限されてしまいます。

では、和食ならどうかと言うと、まず、うどんはダメです。

あと、蕎麦も多くの場合、NGです。

十割蕎麦に限っては例外ですが、それ以外はそば粉に小麦粉をブレンドして作ったものです。

安さが売りの蕎麦は、そば粉よりも小麦粉の割合が多く、そば粉が1~2割りくらいしか含まれていないものもあります。

 

ちなみに、厳格なグルテンフリーを実践するなら、醤油もダメです。

ただ、醤油に関しては発酵の過程でグルテンが分解されるので、それ程影響はないと言われています。

ですが、醤油でもアレルギーが起きる方がいらっしゃるのも事実で、それは微妙に残っているグルテンが原因だとも言われています。

また、醤油でアレルギーが起きる方は、醤油を含む食べ物も基本的には危険です。

なので、ソースや白だしなどの調味料も基本NGです。これらは原材料に醤油を含む調味料ですので。

いずれにしても、現代のように食べ物が豊富な時代において、グルテンフリーの食生活を送るということは、結構ハードルが高いです。

グルテンフリーによって、制限される食べ物が多いからです。

 

この現実を踏まえた上で話を続けますが、グルテンとは一体何なのでしょう。

グルテンとは、小麦、大麦、ライ麦などの穀物から生成されるタンパク質の一種です。

「生成される」というくらいなので、グルテンは小麦、大麦、ライ麦などに含まれているというより(多少含まれているが)、それらを主に調理する過程で作られるものだということです。

例えば、小麦にはいろいろな種類のタンパク質が含まれていますが、その多くが「グルテニン」と「グリアジン」というもので、これらがタンパク質の約75%を占めています。

小麦を粉にしてもこれらの性質は変わらないのですが、水を加えてコネコネすると、グルテニンとグリアジンは結合し始めて、「グルテン」が生成されます。

ですから、例えばパン、うどん、パスタといった食べ物は、小麦に水を加えて練り合わせて作るものですから、当然グルテンを含んでいるわけです。

 

それで、このグルテンの何が問題なのか?という話ですが、グルテンは人の消化酵素では十分に分解できないと言われていることです。

実際に消化不良になり、吐き気や痛み、腸疾患などを引き起こす場合もあります。

さらにアレルギー反応がとても強い場合は、セリアック病という腸から栄養の吸収ができなくなる病気になってしまうこともあります。

また、自覚症状を感じていないケースもあります。

グルテンフリーの話を知らない人も、実はグルテンを摂ることで身体がいつもよりもだるく感じたり、ちょっと鼻づまりになったり、便秘になったりしていて、これらがグルテンの摂取によるものかもしれないのです。

実際にグルテンフリーを実践したところ、体調がとても良くなったと言う声も多いです。

 

ただし、これが「グルテンだけ」による影響だとは言い切れません。

なぜなら、グルテンを摂らないということは、多くの場合、小麦を含む食べ物を一切摂らないということです。

ということは、お米以外の炭水化物を食べることが減るので、多くの場合、糖質の摂取を抑えることになり、これは基本的には身体に良いことです。

「でも、お米を食べる量は増えますよね」という話になるわけですが、お米は普通、単独では食べづらいので、肉、魚などのタンパク質源も同時に食べることになり、その結果、現代人に不足しがちなタンパク質を補うこともできます。

つまり、グルテンフリーの食生活にシフトすることで、結果的に、三大栄養素の摂取バランスが良くなるというメリットもあるのです。

 

いずれにしても、グルテンを分解するのは身体に負担がかかる可能性は高いので、健康のことを考えるのなら、「控える」という意識を持つことは良いことだとは思います。

もちろん、グルテンを「一切排除する」という選択もありだとは思います。いろいろな意味で「実際に継続できるのなら」ですが。

というのも、前述したようにグルテンフリーの食生活は、食べ物の選択肢が大幅に減ります。

それによって、食の楽しみが失われることはあるでしょう。

 

それに、炭水化物をお米だけに限定してしまうリスクも忘れてはいけません。

お米が自然の恵みである以上、その供給は天候に左右されるものです。

需要が増えて、供給が追いつかなくなることもあります。

その時に「小麦を一切食べることができない」というのは、リスクだなーと思うのです。

人の身体は使わない機能は衰える運命なので、小麦を一切摂らない食生活を送っていると、小麦を受け付けない体質になってしまう可能性もあります。

 

そろそろ、話をまとめようと思いますが、グルテンを含む食事を積極的に摂る必要はないけれど、時にはパンやパスタも食べた方がいいのでは?と個人的には思っています。

それにこれは教材でも話しているコンセプトなのですが、「鍛える」という意味においては、分解が難しい成分も多少は摂った方が良いのです。

なので、結論としては、僕はグルテンを食生活から完全に排除することは、あまりオススメはしないです。

ただ、健康維持のことを想うのなら、多くの場合、グルテンの摂取を減らす意識は持つべきだとは思います。

また、調理することによって、食生活から小麦を減らさずにグルテンを減らす方法もあります。

これについては、追々話していけたらと思っています。

 

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