豆乳の反栄養素について

今日は豆乳について。

豆乳はどちらかというとヘルシーなイメージが強い食品です。

大豆に含まれているイソフラボン、レシチンなどに健康効果があると考えられてるためです。

しかし、最近では「豆乳は飲まない方がいい。」と主張する人も増えてきました。

豆乳には反栄養素(アンチニュートリエント)が含まれているという話があるためです。

この反栄養素とは、タンパク質の消化を妨げたり、ミネラルの吸収を阻害する成分のことです。

例えば、大豆に含まれている反栄養素の代表的なものに、フィチン酸があります。

このフィチン酸は体内でミネラルと結合し、その吸収を阻害すると言われています。

 

ただし、このフィチン酸ですが、何も大豆に限った話ではなく、他の豆類や穀物にはだいたい含まれているものです。

一般的に僕らが食べるものだと、お米、小麦、とうもろこし、ゴマ、アーモンド、くるみなど、穀物や豆類にはだいたいフィチン酸が含まれています。

なので、安心してください。という話にはなりませんが、豆乳をそこまで悪いものだと言うのなら、他の食物も良くないでしょ?と思うのです。

ちなみに、フィチン酸に限っていえば、豆乳よりも豆腐の方に多く含まれているのですよ。

だから、豆乳だけ悪者にするのは、少しおかしな話なのです。

 

それを踏まえた上で話を続けますが、豆や穀物類は可食部そのものが種です。

それで、その種は、地上では発芽せずに土の中で発芽するようになっていて、そのための仕組みが酵素阻害物質であり、その成分の1つがフィチン酸なのです。

繰り返しになりますが、この仕組みが備わっているのは大豆だけではありません。

そういえば、「豆乳には反栄養素が含まれているので飲まない方がいいです。これからはアーモンドミルクを飲みましょう。」と言っている人がいましたが、それはたぶん的外れです。

アーモンドには大豆以上のフィチン酸が含まれていますから。

 

結局、フィチン酸はミネラルの吸収を阻害するのか?という話ですが、それはその通りなのです。

ただし、これはデメリットだけではなく、メリットでもあります。

どういうことかと言うと、今回のフィチン酸のようにミネラルと結合することをキレートと呼びますが、これは体内に必要なミネラルに限りません。

体内に入ってくる有害ミネラル(アルミ、カドミウム、水銀など)とも結合し排出してくれるので、デトックス効果が期待できます。

なので、環境汚染が進む現代においては、フィチン酸を含む食物は、必ずしも悪者だとも言えないのです。

 

「では、どうすれば?」と思われるでしょうが、結局のところ、バランスを摂りましょう。ということになってきます

豆腐や豆乳、玄米、ナッツ類など、ヘルシーと言われている食材を摂ることは良いことですが、そればかりを食べるのではなく、他の食材もしっかり食べましょう、ということです。

そうすることで、各々の食材に含まれている栄養素の適量が自然に摂れるはずですから。

また、それとは別の解決策として、豆や穀物類は水に浸ける、もしくは加熱調理する、という方法があります。

フィチン酸は加熱調理することによって、ある程度分解されるのです。

なので、フィチン酸を含む食材も、自然の状態のまま食べさえしなければ(何らかの調理をすれば)、さほど問題はないと僕は考えています。

豆乳についても、その製造方法をしっかり調べていただければ、それほど害がないことが分かるはずです。

いずれにしても、そればかり食べるのは避けた方が無難だとは思いますが。

 

ちなみに、僕らの腸内にはフィチン酸を分解する酵素(フィターゼ)を分泌する菌が住んでいるという研究もあります。

この研究によると、フィターゼの分泌量は腸内の乳酸菌の量に比例するらしいです。

なので、発酵食品を多めに食べることによって、バランスをとることもできます。

 

というわけで、そろそろまとめに入ろうと思いますが、今日お伝えしたかったことは、豆乳が悪者なのではなく、反栄養素を多く含む食物は摂り過ぎない方がいい。ということ。

それから、今回はフィチン酸を例に挙げましたが、フィチン酸を多く含む食物は、ミネラルの吸収が阻害されるデメリットがある代わりに、有害金属をデトックスできるというメリットもあるので、そのバランスが大事ですよ。ということです。

巷では、「○○は良い、○○は悪い」という二元論の主張が多いのですが、実際はそうではないことが多いのです。

そのあたりもこのサイトで少しずつ話していけたらと思っています。

では、今日はこのあたりで。

 

カテゴリー: 栄養学・予防医学 タグ: , パーマリンク