今日の話は、お客さんにもちょくちょく聞かれることなのですが、皆さんにもお伝えしておこうかなと。
それは、「ココナッツオイルは、体に悪い。」という説についてです。
2つの理由があるようです。
1.発がん性物質が含まれている。
2.性ホルモンが正常に働かなくなる。
では、1つずつ見ていきましょう。
1.発がん性物質が含まれている。
具体的に言うと、ココナッツオイルには「ベンゾピレン」という発がん性物質が含まれているという説があります。
このベンゾピレンは、鰹節やコーヒーなどにも含まれていると言われています。
でも、これは調べればすぐ分かることですが、ココナッツオイル全体の問題ではなく、製造方法の問題です。
一部の地域では、昔ながらの製法で、火をおこしココナッツを燻してからオイルを抽出しています。
これだと、ベンゾピレンが含まれている可能性はあります。
逆に、火をおこしココナッツを燻す工程がない製造方法であれば、ベンゾピレンが含まれていることはまずありません。
なので、一般的に販売されている低温圧搾で作られたココナッツオイルでしたら、問題はなさそうです。
ちなみに、僕が頻繁に使っている無臭タイプのココナッツオイルは低温圧搾ではないのですが、ココナッツを天日干し(自然乾燥)した「コプラ」というものからオイルを抽出しています。
この製造法も特に問題はないそうです。
ココナッツオイルに限らずですが、何らかの加工食品を食生活に取り入れる時は、その製造法にも注目して選ぶと良いです。
特に長期的に使うものについては、その意識を持つと良いと思います。
2.性ホルモンのバランスが乱れる。
これは簡単に言うと、ココナッツオイルに男性ホルモンの働きを抑える成分が含まれているというのです。
例えば、性欲が減退したり、精子が減少したりするらしいです。
もしかしたら、これは一理あるのかもしれません。
ただし、これはココナッツオイルに限った話ではありません。
少し話が逸れますが、ノコギリヤシというハーブがあります。
ノコギリヤシは前立腺肥大や前立腺ガンなど、男性ホルモン過剰で起こる病気に対して効果を発揮すると言われていて、薄毛対策として飲まれることもある薬草です。
やや専門的な話になりますが、男性ホルモンのテストステロンをより強力なジヒドロテストステロンに変換する5αリダクターゼという酵素がありまして。
ノコギリヤシに含まれている脂肪酸(ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸など)が、この5αリダクターゼの働きを阻害するという研究結果があります。
つまり、ノコギリヤシもココナッツもヤシの実の1種ですから、似たような特性があっても不思議ではないのです。
なので、ココナッツオイルの過剰摂取によって、男性ホルモンを抑える働きが強くなり過ぎる(バランスが乱れる)可能性は否定できません。
ですが、料理に使う量くらいなら、全く問題ないと個人的には思っています。
先に触れましたが、5αリダクターゼを阻害する成分は、何もココナッツオイルに限った話ではなく、僕らが日常的に食べている白米や大豆、肉や魚といった多くの動物性食物にも含まれているものなのです。
確かにココナッツオイルはその含有量は多いのですが、料理に使う油の量はたかがしれてます。
もちろん、ココナッツオイルの摂り過ぎには注意すべきだとは思います。
ですが、調理用の油として使うだけであれば、そこまで気にしてくても良いのでは?というのが、僕の考えです。
僕自身、もう3年以上ココナッツオイルと使っていますが、特に問題はないです。
逆に、ココナッツオイルをスプーンで毎日飲むというのは、あまりオススメしません。特に男性は。
参考にしていただけたら、幸いです。