玄米食が流行らない理由

健康志向と呼ばれる人たちの中では玄米食は一般的になってきましたが、それでも、全国的な消費量は、白米にはまだまだ勝てません。

それはなぜなのか?について今日は話そうと思います。

 

前回は「栄養がある、ない」とは、一体何なのか?について話しました。

そのセオリーでいくと、玄米は白米に比べて、栄養価の高い食材です。

玄米に含まれているビタミン、ミネラルは、ほぼ全てにおいて、白米のそれを上回っていますから。

特に、玄米にはビタミンB1が豊富に含まれています。

ちなみに、脚気という病気はビタミンB1の欠乏が原因と言われていますが、白米にはこのビタミンB1が殆ど含まれていません。

脚気の大流行の原因は、食生活が玄米食から白米食へシフトしたことだと言われているのは、とても有名な話です。

 

玄米と白米の違いですが、お米から籾殻を取り除いたものが玄米で、玄米からぬか層と胚芽の部分を取り除いたものが白米になります。

つまり、玄米には白米だと取り除かれてしまう、ぬか層と胚芽部分にビタミンやミネラルといった有効成分が豊富に入っているので、一般的には、玄米の方が栄養価が高いと言われているわけです。

 

確かにそれはその通りなのですが、では、なぜ栄養価が高い玄米ではなく、栄養価の低い白米の方が全国的に流通しているのでしょうか?

その理由はいくつか考えられます。

白米は玄米よりも、炊く時間が短い。

白米は玄米よりも、美味しい。

白米は玄米よりも、おにぎり、お寿司などが作りやすい。

玄米はなぜか高い。など。

他にもいろいろあるのですが、実はこれらは1つの理由に集約できると、僕は思っています。

それは、白米は玄米よりも「大量生産に向いていた」ということです。

何でもそうですが、大量生産が可能になれば、生産コストは下がりますから、消費者もリーズナブルな価格で商品を買うことが出来ます。

そして、その結果、経済全体が潤うのです。

 

農作物の大量生産を可能のするものが何かといったら、それは「農薬」です。

農薬を使うことで、農作物が害虫に殺られるリスクが下がりますから、今までよりもたくさんの農作物が採れます。

それで、農薬が玄米と白米に関係があるのか?という話になると思いますが、実はこれ、大アリなのです。

収穫後に農作物に残っている農薬を残留農薬と言いますが、この残留農薬が基準値を超えると、その作物は販売することができません。

それに、そもそも、残留農薬は人体にとって好ましくないものなので、残留農薬は最小限にしておきたいわけです。

 

では、どうすればいいのか?

残留農薬はお米のぬか層や胚芽部分に溜まりやすい性質があります。

つまり、ぬか層と胚芽部分を取り除き、精製して白米にしてしまえば、残留農薬を最小限にできそうだ。

ということで、農薬の普及に伴い、玄米の流通が少なくなってきた。

つまり、玄米は農薬をたっぷり用いた「大量生産」農法に向かなかったのです。

それは、玄米を食べるなら、無農薬でなるべく自然に近い栽培方法のものを選んだ方がいい、ということも意味します。

 

既に玄米を食べる習慣がある人の中には、何で白米より玄米の値段が高いのかと疑問に感じていた人もいらっしゃるかもしれません。

普通に考えて、白米は玄米とは違い、ぬか層や胚芽部分を取り除く手間が増える分、値段も白米の方が高くなるはずですから。

でも、実際は逆で、スーパーに行くと、玄米の方が白米よりも値段が上。

でも、これに関しても、先ほどの話が理解できれば、納得できるはずです。

そもそも、比較の対象となる玄米と白米のクオリティが違うのです。

その証拠に、僕は主にインターネットで無農薬の玄米を買うことが多いのですが、同じクオリティのお米であれば、玄米よりも白米の方が値段は上です。

本来はこれが普通なのです。

 

今日は玄米にフォーカスしましたが、油にも同じことが言えます。

僕は揚げ物や炒め物といった加熱調理には、ココナッツオイルが適しているという話をしてきました。

「じゃあ、そんなにココナッツオイルが良いのであれば、なぜ全国的に流通していないの?」という疑問はあるはずです。

ですが、今日の話が分かれば、その答えも分かるはずです。

繰り返しになりますが、キーワードは「大量生産に向くか?」です。

現在、全国的に流通量が多いサラダ油の主な原料は大豆です。

そのあたりをヒントにして考えれば、答えは分かるんじゃないかと思います。

では、今日はこのあたりで。

 

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