「栄養があるない」って何?

とても勿体無いなーと思うのですが、鰻とレバーは、割と嫌いな人が多い食材です。

んー、美味しいのにー。ホント勿体無い。

鰻は高級食材なので滅多にお目にかかれないかもしれませんが、レバーは割とリーズナブルな食材ですから、食卓にもしばし登場するでしょう。

そして、レバーが嫌いな人も、「栄養があるんだから、食べなさい!」と言われ、渋々食べている人もいらっしゃるかもしれません。

 

今日はこの栄養があるとか、栄養がないって、一体どういうこと?という話をします。

「栄養があるんだから、食べなさい!」というフレーズは、僕が子供の頃、うちの母親もよく言っていました。

僕はレバーが大好きなのですが、妹はレバーが大嫌いで、母親が必死にレバーを食べさせようとしていた(でも、結局食べなかった)記憶があります。

そんな妹を見ながら、「食べ物には、栄養があるものと、栄養が無いものがあるのかー。」そう思っていましたが、今思うと、それはどうも的外れだったようです。

 

そもそも、栄養素が含まれていない食べ物なんてありません。

食品成分表をチェックしてみれば、それが分かると思いますが、どんな食べ物にも、水分、糖質、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維など、様々な栄養素が含まれています。

食べ物によっては、ある特定の栄養素の量が抜きん出ているものや、逆に、ほぼゼロという栄養素もあります。

ですが、どんな食べ物であっても、必ず何らかの栄養素を含んでいます。

例えば、鶏レバーは、どんな栄養素たちで構成されているかというと、水分が76%、タンパク質が19%、脂質が3%、糖質が0.6%、あとは微量のビタミン、ミネラルです。

比較するために、鶏胸肉を見てみると、水分が68%、タンパク質が20%、脂質が17%、糖質がゼロ、あとは同じく微量のビタミン、ミネラルになります。

こうして比較してみると、レバーが胸肉に比べて、栄養がある(たくさんの栄養素が含まれている)かどうかは不明です。

タンパク質や脂質に注目すると、胸肉の方が栄養があると言うこともできますから。

 

でも、レバーの方が栄養があるとも言えます。

それは、微量のビタミン、ミネラルに注目した場合にです。

例えば、これは鶏に限らずですけど、レバーという部位にはビタミンAや葉酸(ビタミンB9)が豊富に含まれています。

具体的には、鶏胸肉に含まれているビタミンAの量は32μgですが、鳥レバーは14000μg(100g中)で、438倍です。

葉酸はというと、胸肉は7μgで、レバーには1300μg。186倍です。

他にもレバーは他の部位を圧倒するビタミン、そしてミネラルを含んでいるのです。

 

また、一般的に栄養があると言われている鰻も、その栄養素を他の魚たちと比べてみるのも面白いです。

鰻は、ビタミンAの含有量が他の魚たちに比べて、抜きん出ています。

ちなみに、このビタミンAはどんな働きをするのかというと、いろいろあるのですが、例えば、皮膚や粘膜などの上皮組織を健康な状態に保つ働きがあります。

なので、ビタミンAが不足すると、肌がカサカサになったり、子供であれば、成長障害の原因になることもあります。

逆に、他の魚に比べて不足している栄養素もあります。それはタンパク質です。

鰻は脂質を多く含んでいる分、タンパク質の含有量は少なくなってしまうのです。

 

今回はレバーと鰻に注目してみましたが、要するに、「栄養がある、ない」という話は、どの栄養素に注目するか?それによって変わってきます。

というか、本来はそういうことなのです。

このことを踏まえると、世間でよく使われている「栄養がある、ない」の意味が分かってきます。

現代人の食生活は、どうしてもある栄養素が不足する傾向があります。

具体的に言うとビタミン、ミネラル全般です。

現代人の食生活に加工食品が増えてきたこと。農作物に含まれている微量栄養素の減少などが、その主な原因です。

ビタミンとミネラルは微量栄養素とも呼ばれているわけですが、要するに、微量栄養素が豊富に含まれているか、含まれていないか?

これが、「栄養がある、ない」の正体なのかなーと、僕は考えています。

 

もちろん、微量栄養素の中でも、特に不足している栄養素もあります。

例えば、先ほど話した葉酸もその1つです。

葉酸が不足すると、狭心症や心筋梗塞のリスクが高まると言われています。

葉酸はレバー以外だと、葉っぱ系の野菜、例えば、ほうれん草、小松菜、クレソンなどによく含まれています。

他にも多くの現代人に不足しがちな微量栄養素はあります。

なので、「栄養がある、ない」を語るのであれば、現代人に不足しがちな個々のビタミン、ミネラルは何なのか?ついても、ある程度は知っておく必要があります。

ちなみに、僕は「栄養がある」とか「栄養価が高い」というフレーズを、「現代人に不足しがちな栄養素を豊富に含んでいる」という意味合いで使うことが多いです。

というのも、現代人に不足している栄養素は微量栄養素だけではないと思っているので。

そのあたりは、別の機会に話せたらと思っています。

 

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